朝のお父ちゃんの仕事は、あかりとお絵かき。あかりは、お父ちゃんの膝に乗って、シュラフに下半身を入れて、あったまりながら描く。
ネコの絵がかけるようになってきた。子供のこういう線は、大人では描けない、貴重なことだとスキャンしておいた。
1枚目は、お父ちゃんとお母ちゃんとあかりが、ぎゅっと抱き合っている絵だそうな。
「うまいねー、すごいねー」とほめ上げる。でも、ときどき、うまくいかないと、かんしゃく起こす。言葉が通じないので、もどかしいんだろう。泣き出す。ツメで、お父ちゃんの顔をかじるときもある。
「そんなことしたらだめだよ。お父ちゃんが痛いでしょう?」「ごめんなさいは?」と言っても黙っている。
まだ黙っている。「ごめんなさいは?」と繰り返す。あかりは、まだ黙っている。じっとうつむいて、かなしそう。なみだぽろぽろ。ついには、「お母ちゃーん」と逃げていく。
「あのね。お父ちゃんが、なんども〈ごめなさいは?〉っていうので、つらかったの」と言いつけていた。そんなこんなで、さきほど幼稚園に出かけた。