過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「相転移」が可能なのであろうか

苦が楽に、不安が安定に、絶望が至福にいたる。そうなるためには、いろいろな障害や苦労が、たくさんの修行と時間が必要だ。瞬時にそのような状態に至ることは、けっしてありえない。そう思っている。

しかし、瞬時に、いまここで、可能なことなんですよ。「相転移」(phase transition)が起きるんですよ。そのようにNさんが言う。

……うむむ。しかし、どうやって。

その大きなポイントは、感謝ですよ。すべてを「ありがたい」と感じることなんですよ。彼はそう言うのだった。

「あたりまえ」と思っていると、「ありがたい」とは感じない。こうして生きている現実、この日常の暮らし、それは当たり前すぎて「ありがたい」とは感じていない。しかし、よくよく考えれば、「ありがたい」ことであろう。

いっときも休むことなく、心臓は鼓動を打ち続けている。大した病もなく、こうして生きてこられた。まさに「生かされている」ともいえる。「有難きこと」「ありがたい」こと。そのことを、「ありがたい」と感じとれること。

そのことが、なかなか感じとれなくても、無理にでも一つひとつありがたい事実を、見つけていく。確認していく。気づいていく。それは、いつでもてきること。いまここでもできること。

さて、そのことで、「相転移」が可能なのであろうか。わからない。が、そこは、実践してみるしかない。感謝行を。慈悲の瞑想を。