過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

廃校と集落の消滅の関係

集落が消滅してしまうのは、年寄りばかりになって、若い人がいなくなるためだ。若い人が移住してくれれば、集落は維持される▲若い人にとって、その土地に魅力がなければ住まない。年寄りばかりで、閉鎖的でところに、魅力はない。仕事がない、ということも住めない理由▲そして、子どもの教育を考えると、学校がなければ住もうとはしない。

この二年のうちに、春野町では二つの小学校が廃校になった▲北小と熊切小だ。学校がなくなれば、その地域には若い人は住まなくなる。若い人がいなくなれば、やがて集落は消滅する。学校が廃校になることと、将来の集落の消滅はリンクしているように思う▲で、この廃校はどうやって決められるかというと、地元の住民の意思によってきまる、と聞いた▲事実、この近くの熊切小学校の廃校は、地元自治会長と副会長が、教育委員会に申請したと聞く▲不思議な話だ。自分たちの集落が消滅する引き金になる学校の廃校を、住民が望むというのは、納得がいかない。

どうしてかと聞いてみた。すると、子供たちの親が廃校を望んでいる、という。ますます納得がいかない▲さらに聞いてみた。こういうことだった。いまのまま、全校の数名の学校では、子どもたちがかわいそうだ。集団教育の効果が出ない。だから、もっと大きな学校に行かせたい▲ところが、学区に学校があれば、そこに通わなくてはならない。廃校になれば、大きな学校に行かせられる、と。通うのは大変だが、スクールバスが来てくれる▲こうして、過疎地は廃校がすすんでいく。廃校がすすめば、やがて集落は消滅していく。こうしてドミノ倒しのように、過疎化がすすみ、集落の消滅はじわりじわりと迫ってくる。