過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「20〜39歳女性人口」の減少率は、63.5%

地方消滅の流れの中での考察。──人口の推移は、浜松市トータルでみれば、過去10年間で2%ちかく増えている。けれども、合併して編入された旧市町村では、10〜30%も減少している▲旧市町村の急激な人口減少は、浜松市という大きなくくりの中で、埋没してしまっている。

そして、この表をみるとおどろく。水窪町(長野県に隣接する浜松市北部の山間部)の「20〜39歳女性人口」の減少率は、63.5%だ。全国でもワースト12位である▲おそらく、龍山町、佐久間町、そして春野町もワースト30〜50位に入るのではないかと思う▲子どもを産む世代の女性がどんどんと減少している。そして、学校は廃校がすすむ。若い人が住めない。子どもも生まれない。このままいけば、集落の消滅は明らかだろう。

では、これら水窪町、龍山町、佐久間町、春野町が独自でなにか手を打てるかというと、できない▲町が独自に自分たちで、なにか手を打とう、一体となってやろうというエネルギーは、もうなくなっている▲浜松市の中で、「ひとつの浜松にひとつの制度」(鈴木市長)として、「一律平等」路線になっている。行政は、一律平等主義になりやすい。あちこちからクレームがこないように、だ。

かつての町役場は「協働センター」という名称になったが、そこには独自の予算も権限もなく、本庁の下請け機関となっている▲こちらもなにか要望を出していくとき、権限と予算のある本庁と直接、やりとりしたほうが効率的だ。だが、本庁では、過疎地の現場のことは、なかなか体感としてわからないのではないかと思う▲浜松市としては、過疎の中山間地域は、やがて消滅していけばいい、みんな「まちなかに」やってきてコンパクトシティにすればいいと思っているのかもしれないな。