過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

瀕死のハクビシン

ランを連れて散歩に出かけたら、畑の前の肥料小屋に近所のおばあちゃまたちが4人。ぼくをみると、待ってましたという顔をしている。お願いがあるの……と言う。なにごとかと思いきや、あれを出してほしい、と指を指す。その先を見ると、小屋のなかに、息も絶え絶えの小動物が倒れている。

アナグマ? タヌキ?  ハクビシン?  みんな気味悪がって、困っていたところだった。ぼくも気持ち悪いし、突然襲いかかってくるかもしれないので、おそるおそる鍬に乗せて放り出す。ランは興味津々で、襲いかかろうという体勢。

その動物は、ヨロヨロと立ち上がって、瀕死の中こちらを威嚇する。鼻筋が白いので、ハクビシンだ。はじめて間近で見た。かなり痩せている、病気だろうな。今夜が峠かな。明日、死んでいたら、穴を掘って埋めなくちゃ。

タヌキに似ているけど、尻尾はすらりと長い。木登りが得意で、ジャコウネコの仲間なんだって。うちのキウイなんてほとんど食べられてしまったことがある。江戸時代に蒔絵に描かれた妖怪「雷獣」はハクビシンではないかという話も。友人のお寺の屋根裏には、ハクビシンが住み着いていて、困ったと言っていた。