スマナサーラ物語⑲仏教の本質は、「待たない」
光照さんは、自分で悟るんじゃない、如来のほうから悟らせてくれるんだ。「一超直入如来智」(いっちょう・じきにゅう・にょらいち)。大悟とは、心が澄みきって己れがなくって、仏から照らしていただくのだと言っていました。
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それは私から言えば、永遠に待つことになる。
ちょっとキツく言うと、「あなた方は悟りに失敗してしまう」というふうに聞こえました。
「waiting waiting waiting forever」(やってこないものを、ずっと永遠に待ち続ける)という生き方です。
「waiting fo God」(En attendant Godot:劇作家サミュエル・ベケットによる戯曲)という映画がありましたね。「ゴドーを待ちながら」。
待ち続けても、ゴドーはついにこない。けっして来ない(never com)ものを待つようなことになる。
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仏教の本質は、「待たない」のです(dont wait)。
そうでないと人生を浪費する(waste)。もったいないです。
ブッダの教えは、待たないのです。
〝エーヒパッシカ〟(Ehipassika 「来たれ見よ」ここへきて実践してみなさい、すぐわかる)です。
〝伝承によるのではない、まのあたり体得されるこの安らぎを、あなたに説き明かそう。よく気をつけて行い、世の中の執著を乗り越えなさい〟(スッタニパータ)です。
(続く)
※スマナサーラ長老のインタビューをもとに池谷が構成しています。