過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

阿多古川で初泳ぎ

なにげに挨拶して、話しかけてみるもんだね。
ー暑いねー。
「暑いっすねー。どこから来たんですか」
──春野です。

「え、春野には友人がたくさんいますよ」
──へええ、どんな人?
聞いていったら、共通の友人が数人いた。そこから、いろいろ話が盛り上がる。
  ▽
きょうは、助成金の申請をしたので、役所でそのヒアリング。
5分でプレゼンして、あとは質疑。ま、縁があれば採択されると思うけれど、わからない。

ともあれ、せっかく二俣に来たので、阿多古川で泳ぐことにした。
阿多古川では初泳ぎ。水は澄んでいるし、魚はたくさんいる。美しい石もいっぱい。

でも、ひとりで泳いでいても、あんまりおもしろくない。そこにいた人に話しかけたのだった。家族連れできていた。
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そのあと、田中さんの家によると、異次元のものづくりをしていた。
カヤックづくり。
長さ7〜8メートルくらいありそう。

──これだと、クルマで運べないですよね?
「いや、持ち運べるよ。これは8分割してつなげる方式なんだよ」

いま作っているのは型枠で、FRPで制作するんだという。
ということで、型枠についての立ち話。

むかし、オーディオカセットの会社にいたことがある。新製品開発には、デザインから型枠を作って、すごく時間がかかるとか、言われたっけ。

ともあれ、ものづくりには型枠がたいせつ。
なるほどなあ、こうして作るんだ。
クルマにしても、まずは型枠づくりから。

かの奈良の大仏にしても、台座の部分から頭頂部まで全部で8段、8回に分けて鋳造されたパーツで構成されているんだとか。それで型枠から作るわけだ。
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F君やAさんもきていて、ものづくりの話。
日本が、黒船が来てから6年で蒸気船を作ってしまう。大村益次郎オランダ語から翻訳して、提灯屋がつくたという。

また、佐賀藩などは、溶鉱炉を作り、大砲(アームストロング砲)を鋳造する。それが、官軍に勝利をもたらす。戊辰戦争では上野や奥羽の戦いで用いられ、「佐賀の大砲」として威力を示した。

そういうことができるには、日本にはベースとなる技術、ワザの風土があったに違いない。というような話しで、歴史を学ぶのが大切。そして、観念的な学問じゃなくて、実際に即した学びが大切と。たとえば、田んぼなどは、それらの総合的な修練になる。

食糧難にもなりそうだし、「来年こそ田んぼを復活させるぞ」という思いも新たにした。