第3次世界大戦の始まるという気がしている。もうウクライナの問題は、フェードアウトしている。
パレスチナの人から見たら、自分たちが長年暮らしてきた先祖代々の土地に、突然、異民族が侵略してくる。武力で土地を奪い、独立国を建てて、自分たちを追い出す。壁を作って囲い込まれる。
ユダヤ人たちの言い分。「もとはといえば、自分たちの土地なのだ。聖書に書いてある。そのように伝えられてきた。それに、ここを支配してきたイギリスとの約束なんだ。だから、正当な理由があって、ここに自分たちの国を作ることにしたんだ。それがイスラエルだ。神から選ばれた私たちの理想の国なんだ」と。
パレスチナの人たちは言う。「なにをいうんだ。ここは長年自分たちが暮らしてきた土地だ。2千年ちかくも暮らしてきた土地な人だ。それを神話のような話を持ち出して、自分たちの国だなんて、理不尽だろう。イギリスがそれを約束したって? イギリスはどういう権利があってそんな事ができるんだ」。
ユダヤ人たちは言う。「ええい、つべこべいうな。私達の国だ。逆らうものは撃ち殺す。私達には金と武力がある。そして、アメリカという強大な国がみんな支えているんだ。つべこ言わずとっとと、壁の中で暮らせ」と。
さてさて、どこがどう調停できるのだろうか。
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パレスチナ問題は、パレスチナという土地に住むアラブ人を追い出してユダヤ人国家イスラエルを建国したことにある。
パレスチナ人の了解も合意もなくして、勝手に土地を力づくで奪い、住民を追い出して建国したことにある。
パレスチナという土地が、もとよりフツーの地ではない。そこには、「イェルサレム」がある。そこは、キリスト教(イエスが生まれ活躍し十字架にかかった)、イスラム教(ムハンマドが昇天)、ユダヤ教(イスラエルの神殿のいった嘆きの壁)、それぞれの枢要な聖地なのだ。たがいに譲る訳にはいかない。
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この対立と紛争のおおもとはイギリスの「三枚舌外交」にある。
イギリスは、第一次世界大戦でオスマン帝国との戦争を有利に進めるために、あちこちと矛盾した約束をする。
資金の援助が欲しかったので、金持ちの多いユダヤ人に対しては、パレスチナ国家建設を認める「バルフォア宣言」を出す。アラブ人に対しては、戦後に国家の建設を約束する「フセイン・マクマホン協定」。これは「アラビアのロレンス」の映画を見るとよく分かる。
そして、フランス、ロシアに対しては、イギリスと三国でオスマントルコを分割する「サイクス・ピコ協定」を約束する。
そして大戦は終わる。ドイツ、オーストリア、トルコは敗れる。パレスチナはイギリスの委任統治下に入って、ユダヤ人がパレスチナに入植してくる。当然、アラブ系住民との衝突が激化する。しかし、イギリスは調停できず委任統治を放棄してしまう。あとは野のなれ山となれ、だ。
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そこでユダヤ人のもっとも多く資金力のあるアメリカの出番だ。
アメリカの意向で国連総会は動く。パレスチナをアラブとユダヤの国家に分割する決議が採択さけれる。そうして、1948年、イスラエルは建国宣言した。
それに対して、アラブ諸国(シリア、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトなど)は反発する。第一次中東戦争(パレスチナ戦争)が勃発。200以上の村が破壊され、70万人以上のパレスチナ人が故郷を奪われた。
やがて1993年、イスラエルのラビン首相とPLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長の間でに「オスロ合意」が成立。それによって、ヨルダン川西岸地区は、ガザ地区と共に「パレスチナ自治区」になった。
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ユダヤ人は2,000年の長い歴史の中で世界に離散し、迫害を受けてきた。土地を奪われ金を奪われ虐殺されてきた。地や金などいくらあっても奪われる。ならば、奪われないものを築くのだとして、信仰、知識、ワザ、ネットワークを磨いてきた。紀元前1,400年頃から約1,000年間にわたって書かれたユダヤ教の聖典を基軸に生きてきたというのが、すごいところだ。
各地に離散したユダヤ人は、イスラエルの地に故郷を再建しようとシオニズム(シオン主義)が起きる。古代ローマ軍にパレスチナを追われて以来、世界各地に離散していたユダヤ民族が、母国への帰還をめざした運動だ。
シオンとはエルサレムにある丘の名で、エルサレムの象徴。
シオニズムは、現在のイスラエルの建国の理念であり、パレスチナ問題の底流にある思想である。