過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

国がいかに衰亡していくか、いかに人心が荒廃していくか、いかに自分の頭で考えなくなるか、長いものにはまかれろになるか

わんこの散歩の帰り、ホタル公園の芝生で、ゴルフの練習をしている人がいた。60代後半かな。ヒョロッとして痩せている。やることなくて、ひとりさみしく球を打つという風情。

そんなところでゴルフしたら危ない。ルール違反だ。
とはいうものの、その人の気持ちもわかるので、声をかけた。
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──それ、9番アイアンですか。
「いや、サンドウェッジ

──なかなか練習する場所、いいところないですね。川原でやるといいけど、玉を拾うのがたいへん。まあ、それにしても、健康がいちばん。
「はい、ほんとうに。ぼくなんか、心筋梗塞やって、おまけに糖尿だし……」

──ええ!それはつらいですね。数値はどれくらい?
「すごいときは13(HbA1c)以上でしたよ。いまは薬で抑えられているけど」

──友人で、13.2を、運動と食事療法だけで6.2くらいまで戻した人がいますよ。
「うん、それはすごいね。でも、もおそらくその人は急性だったんでしょう。慢性だとそうはいかない」

なあんて話をしながら立ち話。きけば春野が地元で、いまは磐田市に住んでいる。春野はいいところだけど仕事がない。いまはさいわい、親が残してくれた家があるので、暮らしていける、と。

──来年は、食糧危機、エネルギー危機、経済の大停滞でたいへんな時代になりそうですね。
「ほんとに、先が暗い。年金でやっていけない。生活保護の人が羨ましいですよ。生活保護が最強と思います」
そうなんだ。これからがたいへん。
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「マイナナンバーカードの申請に行ってきたけど、それから先のやり方がわからないので教えてほしい」ひとり暮らしの女性(84歳)を訪ねた。もう貯金が4千円しかない、なんていう。

──そうかあ。生活困窮者自立支援金てのがあって。単身なら6万円を三ヶ月間、貸し付けてくれる制度がある。非課税世帯は返さなくてもいい。ああ、でも年末で締め切りだか難しい。また、さがしておくね。
「ありがとうね。おねがいしますよ」

そんな会話だった。

時代は、まさに「あたらしい戦前」がはじまろうとしている。これは、タモリ徹子の部屋で言っていたことだ。

コメが、麦が、牛乳がなくなる。電気代、ガス代、水道代が高騰する。時給自足しないとやっていけなくなるかもしれない。経済困窮者続出。コロナ死よりも、経済どん詰まり死が増えてくる。
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マイナカードに沢山の人がいく。これだけの過超過死亡(2年前と比べてすでに16万人増。このままいくと20万人の超過死亡)があっても、みんながワクチンを打つ。そして、暮らしがやっていけなくなる人が続出する。

すると、どうなる。戦前のように「打ち壊し」「米こせ運動」となるか。
たぶんならない。そういう民衆エネルギーはないだろう。テレビ見てぼけーっとしているばかり。

そこで、でてくるのが、「ベーシックインカム」。
国民一人ひとりに、5万とか10万円とかあげます。そのかわり、生活保護も年金も廃止。みたいなことになるのかもしれない。これは、実際に竹中平蔵が提案していた。彼は月に7万円といっていた。

もしも10万円としたら、単身で10万円、夫婦で20万円、子どもが三人いたら50万円ということになる。

そうなったら、みんな都会などにすまない。結婚して、田舎の安い家に暮らしてのんびり畑でもやる。木工やる。釣りをやる。子どもを作る。あたらしく村が活性化する。地方の時代になる。

なあんてことになのかもしれれない。いやしかし、国としての生産性、国際競争力はどうなる。勤労意欲はどうなるという論議は、ここでは置いておく。でも、ともあれみんな飛びつく。ラクで安心だから。
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そこにまで国民を窮乏に至らしめて、マイナカードみたいに、国民一人ひとりを管理していく。そしてマイクロチップ埋め込みのようになっていくかも。

すべての人を系列化において管理する。国が。いや国の背後にある大きな国が。いや、その国を背後で操る資本ネットワークが。いや、それらを操るなにものかが。

そんな流れる感じる新年の朝。国がいかに衰亡していくか、いかに人心が荒廃していくか、いかに自分の頭で考えなくなるか、長いものにはまかれろになるか、そこをじっくりし観察していくことになる。

ともあれ、自分のネットワークを深くしていく。そして自給自足に向けて智慧を働かす。