過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

大晦日の冒険遊び場 廃校の熊切小で

「思ったよりも、ずっとずっと楽しかった。楽しすぎてご飯を食べる暇もなかったよ。遊ぶのに忙しくてさあ。だってすぐに日が暮れちゃうからね。もったいなくてね。

校庭をずーっとずーっと走り回って、行ったり来たりして疲れた。
ボールを蹴ったり、ふにゃふにゃの大きなトランポリンもおもしろかった。

ドラム缶の上に乗れたんだよ。大きなシャボン玉づくりも、ビンゴもよかった。ニワトリが卵産んだ瞬間を見たよ。ニワトリを抱くこともできた。

それに、あかりちゃん、あかりちゃんって言って、みんな知ってくれてたし。
そうそう。友だちできたんだよ。おない年の7歳で、二年生。うれしいな」。
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とっても楽しそうに話してくれた。
行く時に「いく、行かない。おもしくないかもしれないし」とかグズグズ言っていたあかり。

「そんなグズグズ言うなら、やめたらいいよ。やめ、やめ。家にいなさい。たぶん、おもしくないよ。おとうちゃんも、おかあちゃんも、事務処理が猛烈に忙しいんだからね。静かに勉強しているんだよ」。そんなやりとりが、朝、あったのだ。

でも、西田さんが迎えきてくれたとき、クルマにはもう子供見たちが三人もいた。ああ、それだけで、楽しそうに感じた。あとは、申し訳ないけど、おまかせ。
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晦日の昨日。
廃校になった熊切小学校のグランドで、はるの冒険遊び場がひらかれた。熊切小は、平成27年(2015)に閉鎖されるまで、実に140年超の歴史があった。熊切の町は、店も旅館もほとんどが閉じている。あるのは、郵便局と美容室くらい。

そこの廃校のグランドで焚き火ができて子供の遊び場として開催できることは活気的なことだった。
西田さん夫妻の献身的な準備。そして、熊切小を借りている春野コーポレーションの応援で、実現できたのだった。
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きっかけは、冒険遊び場の場所を探していた西田夫妻が、「限界集落」という春野町民だけで開催されるミュージカルに主演のような形で出演したことの縁から始まった、という。

そして、ぼくのFacebookで共通の友人ということでメッセージしたらやりとりがすすんだんだという。おもしろいものだね。

子供は遊びに興じ、親たちはおしゃべり。情報交換。おとうちゃんたちは、いろいろ準備、遊びのワザの伝授。

こうして、あちこちで子どもたちの冒険遊び場が起きていくと、なんておもしろいことだろう。(あかりの写真は、春野コーポレーションのサイトから借りた)