快適な田舎暮らしのネックの一つに町内会問題がある。
移住者は近隣と親しくしなくちゃいけないので、自動的に町内会・自治会に入らざるを得ない。
もしも入らないと、意地悪される、白眼視される、近所と付き合いにくいなどリスクは大きい。
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なにより問題は「ゴミ」だ。だいたい自治会がゴミ捨て場を管理しているので、そこを使わせてもらえなくなる。それで、ゴミのためにやむなく、自治会に入る。
そうしないと、自分で環境センターまで1時間くらいかけてゴミを持っていかざるを得なくなる。ある友人は数年来、そうしていた。
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そうして、大きな問題は田舎は自治会費の高いこと。昨日訪ねたNさんのところは、月に5千円だという。5千円だよ。年間6万円になる。
この明細は聞いていないが、自治会の役員の交際費とか、公民館の積立金とか、祭りのためのもの、神社の補修費用などが入っていると思われる。
強制加入に近い自治会の費用で、神社のしめ縄の制作費や宮の修繕費などに使われるとしたら、信教の自由を冒す「憲法違反」だが、多くの自治会はそんなことは平気でしているのではないか。
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あちこちの自治会の決算をたまに見せてもらうことがあるが、積立金の多いことだ。このあたりでは、600万円の積立金が毎年繰り越されている。
「いったいなにに使うの?」と聞くと、「それは、将来の神社の補修とか、もしものときのために」などという。
それでいて、いまのこのコロナ禍という「もしもの現実」に対して、なにもできない。ひとり暮らしのおとしよりのサポートとか、子どもたちためのイベントとか、企画もできないし高齢で担う人もいない。むざむざとお金を積み立てているだけだ。
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それに、行政から多額の補助金も出ているのだ。いくつかの自治会へ行政からの補助を調べた。
たとえば、長岡京市などの場合、ゴミの分別協力費として年間30万円近く、市政協力謝礼として役員には世帯割+9500円×12ヶ月、集会所建設に1,000万円(補助率1/2)、増築や改築に250〜500万円(補助率1/2)など。
その他、防災安全、公園管理、経路異界、行政文書取扱など、たくさんの補助金が出ている。
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そうして、いまの自治会は実質のところ、祭りもやらないし老人会もないし、子供会もないし、ただ集金常会でお金を集めて積み立てているだけ。祭りでただ酒でみんなで呑んでしまう、なんてことにもなりかもねない。
というわけで、地方の移住のありようとしての自治会、いろいろな問題をはらんでいる。みんな、文句をいうと爪弾きにされるので言わないのだ。とくにゴミを出せないと思っているので、仕方ないと思っている。
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しかし、そもそもゴミは市の責任で処理すべきもので、自治体とは関係ないのだ。大阪や武蔵野市など、家の前においておけば市が持っていく。そして、武蔵野市の市などは自治会はないし、当然自治会費は発生しない。
わたしは、直接、行政に申請してごみ処理場を公式に認可してもらって、わがやの敷地に収集に来てもらっている。また、任意団体として自治倶楽部を作った。自治会連合には属さないし補助金などいらない。そういうことをみんなでやればいいと思うのだ。
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でないと、「苦いものにはまかれろ」「理不尽でも、いままでそうやってきたのだから仕方がない」「登下校のヘルメットとマスクは当たり前。音楽の授業でもマスク。体育でもマスク」なんてことになる。
やがて、みんながやっていることだからと、戦争にまででかけて殺し合うことになるぞ。
自分ができる小さな世界から変革していかなければ、どんどんと手遅れになっていく。衰退として誇りのない日本、我慢と忍耐と忖度の日本、言いたいことがいえない日本、活気もない日本になっていくんじゃないか。