①自治会とは「任意団体」である。任意団体とは「法人格のない人の集まり」。 サークル、同好会、研究会、同窓会格、業界団体のようなもの。同じ目的を持った「人」が集ることで設立できる。
②町内会、自治会も「任意団体」である。入退会は自由。強制加入されるのは憲法違反。「町内会は強制加入団体ではなく、加入・脱退は自由」 (最高裁の判決:2005年4月26日、自治会費等請求事件)
③「任意団体」ゆえ、行政がその内容をとやかくいう性質のものではない。とはいうものの、町内会、自治会は行政の下請け的な役割を担う。そこに多額の補助金が渡る。
補助金の内容は、役員に対する謝礼、集会所の建設、増改築の費用、ごみ集積所の管理、避難救護体制の整備、街路灯設置など。
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④問題は、自治会費・町内会費が高額な場合だ。たとえば、この山里では月に2千円。年間3万円近くになる。高すぎないか。
そうして、その自治会費は何に使われているかというと、イベントや祭りなどの飲食代、老人会。子供会などにも使われる。しかし、コロナでほとんどこうした集いは行われていない。そもそも老人会はなくなったし、子どもはほとんどいない。
⑤そうして、数百万円の積立金となっていく。うちの自治会は600万円くらいの積立金になっている。「いつそれをどう使うのか」というと、「いつか必要になった時」というくらいだ。
まあ、祭りの屋台の修復、神社の修復とか、いろいろあるのだろうが、政教分離の観点から、問題はあると思う。
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⑥会費が高額だし、集いも楽しいものではない、煩わしい仕事が回ってくる、そんな自治会に入りたくない人はいる。しかし、ゴミ出しができないので、入らざるを得ないということになる。
しかしだ、ごみ処理は行政の責任である。自治会に入らなければごみ処理ができないというのはおかしい。ただ、実態として、ゴミ収集所の管理が自治体となっている(行政から補助金が出ている)ので、自治会に加入していないと、ゴミステーションを心理的に使いにくい。
⑦そこで、煩わしい自治会は退会して、「会費ゼロ、まったくのボランティアの自治会」はつくれないだろうか。
それは可能である。なぜなら、任意団体であるからだ。
ためしにいろいろな自治体のサイトを見てみると「新しく自治体をつくるには」として、設立の書式がダウンロードできる。私が直接、電話して聞いたのは、町田市、佐倉市、長岡京市、東大和市など。書式に要件を記載すれば、受理されることになる。ちなみに、武蔵野市などは、そもそも自治会がない。
しかし、そもそも行政が認めるとか認めないという世界ではない。「任意団体」であるから法人格も持たない。
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⑧さて、「自治会連合」というものがある。新しく自治会を作ったとして、その連合に属すことができるのか、あるいは属す必要がないのか。
任意団体なので、属す必要はない。行政からの補助金を期待しようとすれば、自治会連合に属さなければならないが。また、新自治会を自治会連合か認めることはなさそうだ。
しかし、自治会連合に属さない自治会は、各地にたくさんある。自治会連合が分裂して、あるグループの自治会が属さないという場合もある。ある市では、12の自治会から成る連合会から、ある建設に反対した7自治会が退会。交流は途絶えたままといような地域もある。
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⑨そもそも、自治体と自治会と発音文字も似ていてややこしい。
古くは、江戸時代の五人組制度。戦中の国家総動員法による組織、隣組のようなものをひきずっているように思う。空気と忖度、老人が幅を利かせて、旧態依然。男尊女卑。そんな空気がある。
回覧板にしても、「広報浜松」などは、ネット見られる。紙媒体など必要ない人もいる。また、90代の高齢のひとり暮らしの方が回覧板を届けるなんて、たいへんなことだし。また、回覧板の内容は、農協の宣伝(麦わら帽子が安いとか)のようなものを高齢者が苦労して回覧板を届けるなんていうのもどうかと思うし。
⑩ともあれいままでの自治会のありようは、変わらざるを得ないと思う。もういまの時代に即応しないのだ。いまの形態ではもう存続できないことを直視する時が来ているのではないか。ガラガラポンで、あたらしくシステムをつくったほうがいい。
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⑪内部から変えるのは、至難なこと。ということで、あたらしい自治会つくろうと考えている。自治会連合にも属さない。自治会という名称だとだとややこしいなら、たとえば「自治倶楽部」「シン自治会」という名称を使うかな。
自治会費もゼロ、強制の仕事もなし、各自がボランティア。補助金も申請しない。各自が持ち出し。そういう組織を作ったらどうだろうか。そのひとつの布石として、ゴミ収集所をわが敷地内に正式に設置してもらうことができた。
集会所としては、うちのの施設を公民館代わりに使ってもらう。マックスバリュの移動スーパーも来てくれる。いつでも子どもたちが遊べる場、私設図書館がある、だれでも自由におしゃべりできる場としてつかってもらう。地域は限定しない、海外の人でもオッケー。