過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

テキトーなしりとりあそび

あかりを乗せて、まちなかまで車に行くと一時間以上かかる。

「あと、どれくらい?」
──うーん。アンパンマンの歌、あと100曲くらいかな。
「100曲ってわからないよう」
──じゃあ、歌おうか。〈そうだ うれしいんだ生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでもぉぉ〉。

いい加減、歌っても疲れてしまう。
──じゃあ、しりとりでもやろうか。
「いいよ」
ということで、はじめるが、お互いに単語がぽんぽんと出てこない。これも疲れてしまう。

そのうち
──〈あ〉、だね。ああつかれたねの〈ね〉。
「ねえ、はやくしてよの〈よ〉」
──よーし、もうすこしがんばろうの〈う〉」。
「うん、おもしろいねの〈ね〉」。
──ねるこは育つというから、あかりちゃんも、たくさんねるといいよの〈よ〉。

……とこんなふうに、テキトーに文章でつなげていく。これだと、スピーディ。やがて、お互いに、ごちゃごちゃのやりとりになる。そんなこんなで、あかりは寝てしまう。と、まちなかに着くのであった。