過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ぼくのギターは弦が2本しかない

施設では、一日に10〜20曲くらい歌ってる。
童謡や唱歌、戦前・戦後の歌謡曲がメインだ。
歌ったのは、「富士山」「おうまのおやこ」「しゃぼん玉」「とおりゃんせ」「あんたがたどこさ」「五木の子守唄」「浜千鳥」(大正)「仰げば尊し」(明治)「蘇州夜曲」(戦前)「喜びも悲しみも幾歳月」(戦後)「籠の鳥」(大正)「桜井の訣別」(明治)などなど。
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Fさんは99歳だ。「浜千鳥」(青い月夜の浜辺には……)が好きでよくう歌う。「桜井の訣別」(青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ ……)は6番まで、「籠の鳥」(あいたさ見たさにこわさを忘れ……)は10番まで歌われる。
でも、耳がかなり遠い。歌がはずれる。Fさんの隣で歌声を聞いて、その歌声に合わせて伴奏して一緒に歌う。
Mさんは94歳。童謡と唱歌が大好き。島倉千代子「人生いろいろ」、都はるみ「好きになった人」、夏川りみ涙そうそう」など、楽しそうに歌ってくれる。
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ぼくのギターは弦が2本しかない。ドとソだけで伴奏する。なのでコードは押さえない。開放弦で弾く。音程はどうするの? カポタストで調整する。それで、だいたいどんな曲でもカバーできる。
コードを押さえないので、左手は空いている。右脇にギターを挟んで、弾いて、左の指で歌詞を指しながら伴奏だってできるわけだ。
ぼく自身が伴奏して歌うのが、とっても楽しい。元気と心身の調和をもらえるわけで、まことにありがたいこと。