過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

今年100歳になる 一緒に歌う

施設に来られるや「やっかいものがきましたー」と笑う。その言い方が可愛いので、みんなが笑う。施設が明るくなる。
席に着くや「わたしゃ、あたまがパー、パーだから。もうなんにもわからない」と。仕草が、とっても無邪気で可愛らしい。
F子さんは、99歳。今年100歳になる。
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こないだは、施設に着くや「足がいたい」というので、クルマを下りなかった。まあそれでも、「ベッドで寝ながら休んで」と、筆談(耳が遠いので)。でも、下りない。「もう帰る」という。
「まあ、じゃあここで、歌いますか」。歌いながら、気持ちも変わるかも。ギターを持ってきてクルマの中で伴奏。しゃぼん玉、ゆりかごの歌、七つの子、浜千鳥など数曲歌う。
でもやっぱり「足が痛いので帰る」という。それで、そのまま帰ることに。
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きょうは元気においでになった。いきなり一緒に歌う。
耳は遠いが目はいい。大きな歌詞をみながら「籠の鳥」(11番まである)、「桜井の別れ」(6番まである)、「浜千鳥」「青葉の笛」「桃太郎さん」「雨降りお月」「蘇州夜曲」など次々と歌う。
歌うのに合わせて、伴奏し一緒に歌う。こちらの口の動きを見て、一緒に歌われる。不思議とちゃんと唱和していく。一曲歌うたびに合掌される。
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迎えに行く時、菩提寺の前を通ると、いつも「ご先祖さま行ってまいります」。帰るときには、「ご先祖さま、きょうも一日、無事にありがとうございます」と合掌してつぶやかれる。

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