過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

あすのことを思いわずらうな

「来年のことを言うと、鬼が笑う」ということわざがある。一年先のことを言たらおそろしい鬼でも、笑ってしまう。アテもない未来のことを言うと、鬼がバカにして笑う将来のことはわからない。あれこれ言っても意味がない。そんな意味だろう。
 
未来は全く予測できない。思い通りには行かない。
自分のこの一年を見て、たしかにそう思う。
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昨年のいま頃は、古民家の解体の親方と、インドネシアの友人家族めたのにハラールイスラム食)の加工場探し、インドネシアの人たちと地域住民の交流、加工所私設の活用について行政とやりとりをしていた。さらには、市内の40ほどの「神社・寺・教会カフェ」なども企画していた。
 
翌年、こうしたデイサービスの事業をするなど、まったく考えたことなどなかった。縁がつながって、いつしかその勢いで始めたのだった。後先も考えず……。
 
また昨年は、風水害がすごかった。各地で一級河川が氾濫して大きな被害があった。まさか翌年、コロナウィルスによるパンデミックになろうなどとは、だれも予想しなかったことだろう。
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ものごとの変化の速度はすごく速い。自分自身が、そして世界、地球環境が刻々と変化する。
 
どのように考え、データを集め、研究を重ねたとしても、刻々と条件が変わってゆくのだから、将来のことなど、わかるはずがない。思い通りにはならない。
 
なにより、自分自身の心が変わる。経済が変わる、事業環境が変わる、地球環境が変わる。なので、将来のことを、あれこれ思い悩んでも仕方がない(そうはいっても、思い悩むのが常)。
 
過去はもう過ぎたこと。くよくよ思い返して残念な思いを引き戻しても、あんまり意味はない(しかし、よく後悔する。残念な思いを噛みしめる)。
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ともあれ「思い通りにはならない」。……経験的に、そのことだけは、真実と感じる
 
だから、ただ一日一日のみ。これをたいせつにすること。いまの仕事、きょうの仕事。きょう出会った人。いま出会っている人。いま起きている事実・現実。
 
そのことに、しっかりと集中する。いまこの現実に直面するしかない。知恵を湧き出して巧みに。
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「あすのことを思いわずらうな。あすのことは,あす自身が思いわずらうであろう。
一日の苦労は,その日一日だけで十分である。」(聖書:マタイ伝)