過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

地主が譲渡(借地権の名義変更)を認めない

事業を継承をしようとしていた(いわばM&A)。法人も設立した。9割方進めていて、「さあ、これでいける」と踏んだ。
しかし、地主が譲渡(借地権の名義変更)を認めない。そこから進まず。経営者も、白紙にしたいという。土壇場で覆された。
---------------------
さあ、困った。この半年に渡って、進めてきたプロジェクトだ。日夜、妻と二人で、あれこれと論議する。
ま、ともあれ予想できるケースを想定して、シミュレーションを重ねる。こうなったら、どうだろう。これは、どうなんだろう。こうしてらこうなる、ああなる。マインドマップに描きながらすすめる。ときに論争し、喧嘩にもなる。「あなたは、いつも……」。「おまえは、だいたい……」ということにもなる。
ものごとは、いま予想できることは、タカが知れている。いま予想できないことが起きるものだ。その時点で知恵を絞る。直感、ひらめき、度胸だ。誠意だ。熱意だ。祈りだ。
------------------
で、大まかな戦略。
1. 地主が借地権の譲渡を認めないなら、看板はいままで通り。いまの法人と地主との契約は継続。
しかし、いまの法人の実質的な支配者となる(代表取締役、株式の譲渡)。中身は池谷。ただ、このリスクは、いまの法人の負債など予期しないものを背負うことになる。
2. 「建物」だけ賃借する。この場合、「土地の転貸」ではないので、地主は拒否できない。こちらでまずは進もうと、契約を結んだ。「賃貸借契約」と「 借地権付建物売買契約書(停止条件付)」を結んでロックをかけた。
3. いまの経営者から、地主に手紙を出す。地主はきっと怒る。そこで、いまの経営者、地主、池谷の「三者会談」をセットする。お互いヒートアップしないように、穏やかで客観的な第三者に立ち会ってもらう。その段取りもした。
4. 建物の賃貸なら、地主は反対する権利はない。しかし、こちらは借地権の譲渡がほしい。それには、地主の許可が必要だ。いっそのこと「土地(底地)を売買したい」となるかもしれない。そこはそこで、価格交渉の流れとなる。
5. ともあれ、建物の賃貸ですすめる。実績を積み上げ、時間をかけて地主と融和をはかる。やがて建物(借地権)の所有権移転を認めてもらう。さらに機をみて、土地も取得させてもらう。
6. しかし、ついには地主が借地権の名義変更に不承諾の場合はどうなるか。そこは道はある。
「裁判所に申し立て」をする。裁判所が地主に変わって許可する( 借地権設定者の承諾に代わる許可の申立:借地借家法19条1項前段 )。その手続きを踏む。調停の過程で、地主と融和がすすむかもしれない。
------------------
まさにいま、渦中。物事は常に動く。人の心は動く。自分の心も動く。いちどはあきらめて、復活し。また、あきらめて復活し。それを繰り返している。そのたびに、洞察は深まる。
不思議なことに、突然のひらめきで適役の人に出会ったり、シンクロニシティ共時性、偶然の一致)が起きて、ベストなタイミングでものごとが進んだりする。
強い執着、思い込みも大切。だが、手放すことによって事態が進行することもある。
ともあれ、打つ手はとことん打つ。そこまで練り上げて動く。しかし事態は実を結ばなかったら、それは「縁がなかった」と諦める。それはそれで、次の道が開ける。