過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ひとり暮らしの身寄りのない人。借地と空き家。

ひとり暮らしの身寄りのない人。借地と空き家。
これから山里で起きてくる問題。

①身内で、高齢の独り身の人がいるとする。最後まで世話しなくちゃいけない。その人の判断力がなくなってきた。そこで、成年後見人制度を活用する。それには100万円余の費用がかかる。

②空き家ばかりの山里だが、借地が多い。もう年老いてきて、土地をいまさら買っても仕方がない。だが借地のままでは、子どもたちに迷惑がかかる。借地の解消には、家の解体費用に200万円くらいかかる。また、地主も年老いて、よくやりとりができない。
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ご近所のHさん(82歳)が訪ねてきた。
うちの敷地の松を切って大きな門松を作りたいとお願いに来た。それから、いろいろ身の上話。

Hさんの身内が、施設に入った。本人の判断能力はいちじるしく低下してきた。それで「成年後見人」を雇うことにした。弁護士に依頼するので、諸費用も含めてざっと100万円余がかかる。

またHさんの家は、借地に建てられている。老夫婦だけの暮らし。子どもたちは山里に帰ってくることは、まったくない。
さて、このまま借り続けるのか。自分たちが死んだあと、どうなるのか。子どもたちに煩わしさを残したくない。

借地を帰すには、更地にしなくてはならない。そうすると、家の解体費用はざっと200万余がかかる。いっそのこと、地主から土地を買ってしまえば、子どもたちに煩わしさを残さないですむ。いまさら買っても仕方ないけれど。

では、買うとしたら、いくらで買ったらいいのか。
そんな話になった。

ううむ。あのあたりなら、いまどきの相場は坪5千円、しかし50年余も暮らして地代を払ってきたのだから、3割減として坪3500円。まあ、せいぜい登記費用も含めて50万円を払う覚悟でいればいいんじゃないですか。そんな話をしてみたらどうかとアドバイス

しかし、地主である相手先も、どうも年老いてやりとりが難しいという。
じゃあ、ともあれ、ぼくが手紙で文書を書いてあげましょうか。それで、相手の反応を見る。ともかく動きださないと、年老いていくばかりで、気持ち的には憂いが続くばかり。

そんな話をしたのであった。