過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

気分転換に町営のお風呂に行く

仕事していると、頭が煮詰まってくる。そんなとき、散歩もいいけど、手っとり早くは風呂がいい。内風呂じゃなくて、大きな風呂がいい。さいわい、近くに町営の「すみれの湯」がある。入湯料は200円。じつに、気分転換になる。風呂にはいる前とあとでは、まったく「節」がちがうような体感がある。

広い浴槽にサウナ付き。たいていは、だれもいないけれども、ちょうど画家の内海さんもきていた。かれは3年ほど前に、春野に移住してきた。グラフィックデザインも本の装丁もこなす。

むかし、ティック・ナット・ハーンの「微笑みを生きる」という本があって、ぼくはその装丁を真似して、インドの「抱きしめる聖者」といわれるアマチ(マータ・アムリターナンダマイー)の本を作ったことがあった。そんな話をしていたら、なんと、その「微笑みを生きる」の装丁をしたのが内海さんだった。

ニューエイジ系、精神世界系の人脈がかぶっていて、共通の友人が多い。風呂に入りながら、山田龍宝さんというお坊さんの話をした。その人は70年代、サンフランシスコで禅を指導していたので、当時のヒッピームーブメントの渦中にいた。宇宙飛行士のシュワイカートとか、ヒーリングミュージックの宮下富実夫とか、吉福伸逸さんとか、幅広い交友があった。龍宝さんは、よく東京の我が家に泊まりにきては、いろいろ語り合ったものだった。こんな山里で、そうした話ができる友がいるのも、おもしろいことだ。