過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ススキを刈っていたおばあちゃんと

うちの田んぼのまわりは、ほとんど耕作放棄地だ。隣は2反くらいあるだろうか、休耕田。草刈りはきちんとされているが、ススキだけは残している。そのススキをせっせとおばあちゃんが鎌で刈っていた。茶畑や野菜の畑に入れて堆肥にするのだろう。「精が出ますね」と声をかけると「あんたらも、毎日、よくやるねー」と元気にこたえてくれた。

いま84歳だという。山里のおばあちゃんは、ほんと元気だ。浜松は健康寿命のレベルがとても高いけど、それはこういう山里のお年寄りたちが支えているんだと思う。

──ここは田んぼだったよ。重たい荷物を背負って、田んぼと家を何度も往復したもんだよ。いまじゃ、だれも耕す人がおらん。むかしは田んぼがあるのは財産だったが、いまとなっては重荷だね。だれか、たがやしてくれんかね。なに、あんたたち、やってもいいって? じゃあ頼むよ。

そんな話になった。ちゃんとぼくたちが耕すことができたら、これもすばらしいな。そうだ、エゴマでも栽培してみたいな。とりあえずは、冬に小麦の栽培、そしてレンゲと菜の花の種を蒔こう。畑いっぱいレンゲと菜の花畑にしてみたいものだ。