過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ホタルが舞う

ホタルが出ているよと近所の人から聞いた。近所にホタル公園があって、この時期になるとホタルが現れる。夜の9時頃に出かけていく。だれもいない公園。真っ暗だ。目が慣れてくると、ふわあ、ふわあと光っている。あちらにも、こちらにも。目の前にも舞ってくる。そのゆるやかなこと、優雅なことよ。

山里は、なんにもないけど、清流がある、星空がきれい、空気が澄んでいる、こうしてホタルも暮らしている。たいした資源だ、宝があるんだなあと思った。

はじめてホタルを見たのは、小学校二年生のときのことだ。教育実習のおねえさんが、お土産に一人ひとりにホタルをプレゼントしてくれた。たいせつにマッチ箱に入っていた。小さな生き物が、こんなに光りかがやくのかと驚いたことを覚えている。当時の生徒の数というと40人くらいだ。おねえさんが、それだけのホタルを集めたのは、たいへんなことだったろうな。