過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

スマナサーラものがたり㊾鬼籍に入られた人 岡田副会長-1

スマナサーラものがたり㊾鬼籍に入られた人 岡田副会長-1

岡田副会長は関西にいました。岡田さんは普通の友だちとして、私と仲良くなりたかったみたいなんです。私の家に泊まったりご飯食べたりとかね。

何か困ったことがあったらすぐ頼んだりとかね、わがままを言ったりとかね、そういう人間としての友だちみたいな関係なんですね。

徹底的に協力してくれる人でした。どちらかというと俗世間のビジネス世界に詳しい方で、どうやって商売するのか拡大していったらいいのか、その能力を生かして活動をしたかったんですね。
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ロータリークラブとかライオンズクラブに入っていて、大金持ちの社長たちと交流があって、協会の組織を大きくしたかったようです。

あなたに紹介して活動を弘めたいとも言いました。こんな会社を持ってる人だとか、この社長は私の友だちでとか、個人的に紹介してくれました。

日本の経済社会の大物たちとの交流を深めて、もっと協会を拡大したいという思いがあったようですね。いろいろな新興宗教の組織のことも参考にして、協会の組織を拡大させたいと思っていたこともありました。

そういった組織の拡大のようなことは、私たちテーラワーダ仏教協会には欠けていたことなんですが。
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でも、私はあんまりそういった話には乗りたくなかったんです。
私にとっては、組織を拡大するとか布教しようという思いはまったくない。それは、めんど臭いんですね。

有名な大物の人たちが協力することになると、そちらの機嫌を取らなくなってしまいます。
社会的な組織というのは、仏教としては受け入れられないんですね。

会社ではなくて個人として、仏教の教えを学び実践しようと、ひとりの人間として来ることは一向に構わない。

これまで瞑想会に有名なタレントが来たり、世界的に著名な学者が来たことがありました。
そういう場合には、個人的にきて瞑想して説法を受けて、そしてひっそりと帰る。

私はいろいろな人を紹介されます。この人は何とかさんといってとても有名で、こんな会社を経営していて、お医者さんで、すごい実力者でとか言われたりします。ところが、私はそんなことは一切、聞かないんです。

来る時は「人間として一人で来てください」といいます。私たちはそういう意味で拡大はしないんです。

スマナサーラ長老のインタビューをもとに池谷が構成しています。