過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

研究論文に応募してみたよ

日本生命財団が、「児童の健全育成」の研究論文の助成をしているということを知ったのが昨夜。ところが、なんと締切は今日の消印有効ってことに。
しかも、過去の実績を見たら、そういう研究論文のほとんどは、大学の教授や准教授ばかり。

私は、アカデミックな論文など書いたことはない。ああ、こりゃ無理だ。
‥‥と思った。
しかし、まあやってみようじゃないか。なにごとも試してみて、自分の実力がわかるってことだし。

専門の教育学を研究している人よりも、「不登校児の親という当事者」「衰亡していく過疎地に暮らしている」。そこを〈比較優位〉にもっていくことができる、かもしれない。

ところが、書類を書き始めると、なんとも膨大すぎ。
研究手法、研究に期待される効果、研究フィールドとその概要、研究のこれまでの経過、研究の特色 先駆性・開拓性・波及性等、収支予算とその根拠、すごくたくさん項目がある。

まあ、とりあえず大急ぎで書いた、いま読み返したら、誤字脱字もあるし収支計算も大雑把。ま、ダメモトというか趣味みたいなもので、申請してみた。以下、出だしの部分。
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〈背景〉小・中学校における不登校児童生徒数は全国で30万人ちかくになる。
不登校児童は増加のいっぽうであり、社会問題化している。児童のみならずその親もまた、心労を重ねている。

まさに多様性が求められる時代。しかしながら、コロナ禍のマスク装着のように、日本という国は同調圧力が強い。同質なもの以外は排除されがちである。ましてや「学校に行ってないなんてとんでもない」という価値観をもつ地域の人、親や親戚は多い。そのなかで不登校を選択した児童本人、そしてその親の心労は大きい。
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〈研究の独自性〉この研究は、過疎の山里における不登校児童とその親(とくに移住者の家族)を対象に研究を行う。いかにして不登校となったのか、その理由ときっかけ。どのようにして一日を暮らしているのか。親の抱える問題はなにか。そして、とりまく教育環境、子育て支援、子供の第三の居場所を探求し、不登校の課題を明らかにして児童のウェルビーイングに貢献しようとするものである。

田舎暮らしを希望する移住者は少なからずいる。
豊かな自然と家賃など安価なことで、子育てには適している。

しかし、以下のようにさまざまなハードルはある。
「子どもが少ない」「地域が閉鎖的である」「育児サポートが充実していない」「仕事がない」「急速に過疎化しており年寄りばかりである」「診療所が少ない」「買い物が不便」

とくに、山里の過疎地に移住する家族にとっては、「子どもが少ない」「地域が閉鎖的である」「育児サポートが充実していない」は重要である。

地縁と血縁がないだけに、子どもを預けられない。子育ての比重は母親にかかる。
保育園もない、学童保育は週に3日、それに代わる「保育ママ制度」は、当地域では、しばりがありすぎる(保育ママが1軒しかない、自分の子供がいると他の子供を一緒にみてはならないなど)。

子どもは地域に同世代の子どもがいないために、親とのやりとりがメインになる。母親はストレスフルになる。そして、その鬱積は夫に及ぶ。
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不登校児童とその親はどのような課題があるのか。いかにしてそれを克服しようとしているのか。コペアレンティングのありようをリサーチする。

そのうえで、不登校児童のウェルビーイングはいかにあるべきか、どういった可能性があるだろうかというモデルを提案する。