過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

そういう態度なら、こちらは民事訴訟をしますからね。首を洗って待っているように。

───そういう態度なら、こちらは民事訴訟をしますからね。首を洗って待っているように。
「勝手にしろ」がちゃん。

じゃあ、訴状を書くか。また裁判だ。裁判の連勝記録重ねるぞ。
と思っていたら、3分後に電話。

「池谷さん。すみません。裁判なんて時間と手間のかかることやめましょう。許してください」

───いや、ぼくは生き方としてポリシーとして、裁判することに決めました。時間と手間なんてちっとも惜しみません。本日、訴状を書きます。
「いやあ、そこをなんとか。あやまります。お許しください」
  ▽
ある不動産屋とのやりとりだ。ある物件を紹介してあげたので、ちゃんと謝礼を支払うということであった。成約した時点で、「○万円払います。ついては、とりにきてください」と言う。

───ええ? 取りに行くんですか。普通は謝礼を持参するか口座に振り込むんじゃないですか。まあ、そのうち行きます。

で、2年間、放置していた。片道1時間半もかかるんだもの。
ところが、娘の柔道着をくださる方がいて、待ち合わせ場所はその不動産屋に近い。

───そちらに行く用事があるから。謝礼をいただきたい。期をまたいでいるので、そちらに合わせます。

「会社の経費では処理できないので、ぼくのポケットマネーで払わなくちゃいけない。ので、半分にしてくれますか?」

───「はい、それは仕方ないかもしれないけど。でも、ぼくが紹介したのは事実。おたくから○万円の謝礼と約束を聞いています。そこはきちんとしたほうがいいのでは」。

「いやAさんも、Bさんもうちの会員だから、ほんらい謝礼は払えない」。
   ▽
ん?事実と違うことを言い出したぞ。
Aさんも、Bさんもぼくが紹介したのであった。その不動産屋の会員ではない。そこで、カチンときたぞ。

───ちゃんと約束を守らない。事実とちがうことを平然と言う。あなたは、そんな商売をしてきていたんだね。こちらは、そのことを広く知らしめます。民事訴訟も辞さないからね。

「2年も放置しているって、どういうことよ」。
 
───なにをいうか。そもそも謝礼だったら、こちらに持参するか振り込むのが普通でしょう。それをとりに来いというのは常識的じゃないでしょう。こちらは、片道、一時間半もかかるわけだし。もしもお金払わなければ、裁判を起こす。

「裁判でもどうにでもしてください」。

こちらは、見せしめで裁判することにした。
ところが、「いや、許してください。なんとかお願いしますちゃんと払います」ということで、さやを収めることにしたのであった。
  ▽
あかりの社会勉強もあって、その不動産屋に一緒にでかけた。となりで、動画撮影までさせたよ。
その日は、お寺の住職と話もしたし、布絵作家の打ち合わせも同行した。
こうして不動産屋にも行く。当初の電話のやり取りも聞いていた。
ぼくの運転中に訪問先に電話してくれる。すこしは助手になってきたかな。あかり8歳。

やりとりで──は池谷。「」は不動産屋。