# まとめるのは3つがいいんだよ
外風呂に入りながら、あかりには、ものごとをまとめる練習をさせている。
──どうしていやなのか。3つにまとめよ。
▽
「うん。①いきたくないから。②いやだから。③そんな気分じゃないから」
──それは、まとめにならないね。「どうして行きたくないのか」。それを3つでまとめるんだよ。
「うん、じゃあやってみるね。①やることがたくさんあって忙しいから。②楽しそうじゃないから。③突然言われて気持ちがまとまってないから」
──うん、そんな程度でいいね。
▽
「どうしてまとめるのは、3つがいいの?」
──それはね3つがいちばん安定しているんだね。伝えやすい、聞いている人も覚えやすい。
ひとつじゃ足りない。2つだと落ち着かない。4つや5つになると、もう多すぎてわからない。7つとか10じゃ、お手あげだ。
だから、なにごとも3つにまとめる訓練をするといいんだね。
▽
「でも、もっとたくさん知りたいというときは?」
──そのときは、3つにまとめたその一つ一つから、また3つにまとめていけばいいんだ。
たとえば。「あかりについてのべよ」とするだろう。
①女の子です。
②8つです。
③春野という田舎に暮らしています。
まずそれはいいよね。でも、もっと聞きたい人は、
①どんな女の子かな?顔は、姿は、性格は?
②8つということは、何年生かな。え?学校行ってない。どうして?
③どんな田舎かな?どんな暮らしぶりかな。なにしているの? え?焚き火している。ドラム缶風呂に入っている?
こうやって、また3つにわけていくんだよ。
▽
「うん、すこしわかってきた」
──人間は3つくらいまでしかおぼえられない。5つとかたいへん。
ぱっと見ても3つまでは、すぐにわかる。5つ以上は、ぱっとわからない。一つ2つと頭の中で数えないとわからない。ほら、たとえば、この本は何冊だ?
──えーと、一冊、二冊------。そうだね。4冊以上はもう数えないとわからない。
ということで、「3」について論じあったのだった。