過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

企画書づくりの一日

企画書づくりの一日。FSC認証材を使用した3密回避のリノベーション、あるいは日本財団への助成金の申請。けれども、行政と提携するという署名が必要だという。
そのために、行政向けに企画書。収支予算書づくり。こんなことばかりやっている一日。もしも、採択されれば否応なく動き出すことになる。不採択なら、まったく徒労になる。いまたたき台の作成中。
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事業名「3密回避 子どもをド真ん中に据えた 多世代交流広場づくり」
「地域課題と背景」
①過疎高齢 ほとんど子どもがいない春野町
豊かな自然環境はあっても、高齢者ばかりで子供はいない。たとえば、気田小の小1の学年は7名。なので、せっかくの豊かな自然環境があっても、子ども同士が遊べる機会がない。
②子育て環境がきびしく母親に負担がかかる
子育てはたいへんな事業である。母親に大きく負担がかかる。家庭内に祖父母がいたり親戚が近くにいればよいが、移住者の子育ては、母親に大きく負担がかかる。親同士の交流の機会が少ない。子育てネットワークがもとめられる。
春野町は保育園もない。保育ママ制度も活用が難しい(自分の子供がいたら、預かれない等)。そして、学童保育は週に3日のみ。これでは、母親は働きに出られない。
移住者で、茶業をしながら、往復2時間かけて、保育所に通い続けた方もいる。また、移住して多額の費用をかけて家を改修したものの子育てが難しく、まちなかに転居した方もある。
自宅での学びを選択した子どもたちもいる。知っている家庭だけでも、春野町で小学校や幼稚園に行かずに自主的に家で学ぼうという低学年の子どもは、7人いる(うちの小1の娘も然り)。
③子どもに自然体験をさせたい、田舎暮らししたい
子どもに自然と触れ合う体験をさせたい。どろんこ遊び、水遊び、焚き火、田んぼや畑の体験を通して交流したい。
そして、いつか田舎暮らしをしたい。田舎で暮らすためには、「そこにどういう暮らし・ネットワークがあるか」が大切。だが、それを知る「きっかけ」がない。
④生きた教材、素材の宝庫
山里には創作的な人が多い。生きた教材、素材の宝庫。ワザもった匠たち。しかし、それをつなぐハブがないので、点だけになっている。そこを繋いでいくことが求められる。
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「事業の目的と期待される波及効果」
①「子ども第三の居場所」「子供を主体にした多世代交流広場」
子どもたちが気軽に立ち寄れる居場所。安心して過ごせる環境で、自己肯定感、人や社会と関わる力、生活習慣、学習習慣など、将来の自立に向けて生き抜く力を育む「子ども第三の居場所」をつくる。
②親たちも、地域の人々も参加できる。多世代交流の場。
もしも課題を抱える子どもがいれば、その早期発見や見守りを行う場ともなる。お年よりも子供の交わることで元気になる。
③子育て環境と移住
「子どもの第三の居場所」があちこちにできれば、子育ての負担は減る。子供を通した交流も進んで、親たちも元気になる。地域の人も安心する。移住したい人もあらわれてくる。
④行きつけの田舎
山里にネットワークがあれば、いつでも来られる。まちなかと山里の交流があれば、たがいに元気になる。
⑤ここをハブとして、行政、NPO、市民、企業、研究者と協力し、ゆるやかなコミュニティを作られてゆく。
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「事業の具体的な内容」
①「みんなの家」の施設を活用する
NPO法人楽舎の理事長である池谷は、地域密着型介護施設「みんなの家」を3年前から経営している。経営主体は、一般社団法人あかり。池谷はその代表理事である。
だが、生活相談員でもある妻が入院・手術(6月)ということで、その療養もあって、この施設は7月から休業し、年内に閉じることにした。
そこで、せっかくの「みんなの家」の施設を活用して、「子ども第三の居場所づくり」をつくることにした。敷地は400坪ある。30畳以上のホールがある。施設の目の前には、藤の瀬ホタル公園とスポーツ広場があり、駐車場もある。気田川も徒歩5分。

②子ども(未就学児~高校生)を中心に、地域住民や保護者も参加できる。スタッフは、フルタイムが1名、その他スタッフ1名以上という体制。週3日くらいをメドに。
子どもが少ない春野なので、おそらく数名が集うことになる。そして、子供を主体として、地域の方もあそびにきてくれる。交流ができる。そんな場にしていく。

③具体的には、ホールを私設図書館にして、だれでも本が読める場とする。南側のデッキ部分を増設して、3密回避のひろびろ空間にする。子どもたちは、そこで自由に遊べる。食事もでる。当然、敷地や公園でも遊べる。

④親子の交流のイベントを行う(月に一度くらい)。
今年の7月には、ニワトリの解体から調理の集いに52名が集まった。11月27日には、イノシシの丸焼きの集いには、17組の親子が参加予定。ほとんどが、浜松、磐田、森町、掛川三河などまちなかからの参加。

⑤定期的な講座やワークショップ
郷土史家による歴史講座、フランス料理のプロによる料理教室、見守り・看取り・おくりの講座、木工やおもちゃづくり、仏教やインド哲学の講座、クラシックコンサートなど、さまざまな講座やイベントを開催する。参加費は、講座内容によって実費。500円〜3,000円程度。

事業のスケジュール、収支予算書省く。