過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

関係人口と冒険遊び場 

①移住者の子育てはたいへん。地縁・血縁なし。保育所なし。学童保育は毎日やっていない。なにより子どもの絶対数が少ない。子ども同士、遊ぶ機会が少ない(気田小の1年生は6人)。ゆえに親に負担がかかる。

②まちなかの子どもは自然を求めている。焚き火、水遊び、どろんこ遊び。まちなかで焚き火なんて絶対にできない。

③山里で「子どもの冒険遊び場」があればいい。なにしろ遊ぶ場所はたくさんある。山里は子どもはが少ない、まちなかはたくさんいる。両者が混在となって遊ぶ。親同士、子ども同士が親しくなる。あちこちで、そういう場作りをしようという家族が、少しずつ増えてきている。

④うちの敷地で行われた遊び場には、まちなかから40〜50名余が集った。ニワトリの解体から調理(7月)、イノシシの丸焼き(11月)など。

⑤5月に開催された「春野人めぐり」において、小橋家での集いには、延べ150人くらいがきた。年末の大晦日、西田夫妻が、廃校になった熊切小で開いた時、30名余の親子が集った。廃校の活用法としても意味がある。

⑥子ども同士、親同士、親子同士が親しくなっていくメリットは大きい。お互いにサポートしやすい、されやすくなる。「いま動けないので、子どもを連れて行ってほしい」「お互い様だから、いいですよ」という関係。

⑦まちかの人は、ちょくちょくやってきて友人もでき「行きつけの田舎」のようになる。

⑧移住での最大のポイントは、「そこにどんなコミュニティがあるか、どんな暮らしがあるか」がわかることだ。

⑨やがて「いい空き家があるよ」「あそこなら、過ごしやすそう」というように、地域の実情もわかってくる。また、地域の人も安心する。そこから二点居住、さらには移住の可能性も出てくる。

⑩関係人口、移住者が増えると、山里に活気が出てくる(もちろん軋轢も出てくるが)。
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県の職員(政策推進局)が3名来訪。
わたしが、著書のことで読売新聞に記事として掲載されたのがきっかけできてくれた。「関係人口の創出」というテーマで、いろいろなところを訪ねているという。ということで、上記のポイントをメールしておいた。

来られた時、西田さんのところで、ちょうど「はるの冒険遊び場」をやっていたので、案内する。そして、自分ひとりで家を4棟建てた「そば処一休」さんも案内。いろいろな人材、活動している場があることをみてもらう。
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あと、これからの課題として「学校なんか行きたくない」という子どもが増えてくる。学校に行かないことを選んだ小中学生は20万人を超える(過去最多。8年連続で増加。前年比25%アップ)
この流れはますます加速する。もう時代は大きく代わる方向に舵は切られている。

選択と集中」で、地方の過疎地は切り捨てられ。東京一極収集から、地方都市に若者の雇用を創出する。まちなかの賑わい戦略、過疎地はコンパクトシティ。それが、地方創生会議の主題だったと思うが、コロナ禍で流れは変わってきていると思う。さて、それをどうするか。

そんな話をしたのであった。