過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

マインドフルネスのウォーキング

利用者さんに、ヴィパッサナーの入り口をリードしてみた。ヴィパッサナーとは、ヴィ(よく・しっかり・ちゃんと)パッサナー(観る)ということだ。
なにを? 自分である。
自分とは、自分の「動作」「行動」「感情」「心の動き」である。
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自分をみているようで、なかなかみていない。とくに、人間は思考する動物。思考していると、自分が見えない。
考えている自分がいるが、そこに自分のありようがスキップされている。考えるとは、すなわち、自分自身のありように注意深くなっていないともいえる。
あっ、難しい話になってしまった。
もとに戻る。ともあれ、「自分の動作に気づく、観察する」というところが、とてもたいせつと。
とはいうものの、ここはデイサービスなので、瞑想をリードしているわけじゃあない。しかも、利用者さんは80代、90代の方が多い。
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今回のリードは「転倒予防」のためである。
高齢者でいちばん怖いのは「転倒」。なので、「転倒予防」のために、ヴィパッサナーを導入してみたということだ。
具体的には、どうするか。
まず、机の縁を両手で持って立ち上がる、そして座る。それを、とてもゆっくり意識的に行う。息は詰めない。自然な呼吸がいい。
そして、立ち上がったところで、歩いてもらう。
とてもゆっくり、ゆっくりだ。あたかも重病人が、やっと歩き出すような感じ。
たとえば、右足の踵をつける、足の指をおろす。左足のかかとを上げる、足を運ぶ、左足の踵を下ろす。足の指を下ろす。
そんな感じで、一歩一歩をとてもゆっくり。
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最初はよろけたりする人もいるので、隣で腕を持って介助しながらだ。
こうして、ゆっくりと歩く。そして、止まってみる。向きを変えてみる。そして、また歩きだす。
机までたどり着く、机に両手をつけて、ゆっくりと腰を下ろす。
こんな流れである。
効果がすぐに現れるわけではないが、歩行訓練、ストレッチ、注意深く歩くという意味で、転倒予防になりうるかとも思う。軽度認知症予防になるかもしれない。