過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ハラールのための加工所と住まいを探している

インドネシアの親友から、相談があった。住まい兼食品加工場を山里に探したいという。
ハラール(حلال)のための食品加工場だ。ハラールとは、イスラム法上で食べることが許されている食材や料理を指す。食品だけでなく、行動にも関わるという。
 
食については、アッラー(神)との契約であり、生き方の根幹に関わることだ。ゆえにかなり厳密な作法と制約がある。屠殺にしても、正規の手順に従ったものでなければ食べられない。
いかに動物を苦しめないで、処理できるかが大事で、動物にストレスを与えないために、鋭いナイフにして血を完全に抜けなければいけない。屠殺の風景を次の動物の目にも入ってはいけない。そのあたりは、動物の気持ちを大切にしているともいえるのだが。
ともあれ、その作法が遵守された食品が、ハラールとされる。
 
また、豚肉は不浄なものとして禁じられている。そのほかにも、犬、獲物を捕獲するための牙や爪がある虎・猫、きつつき、ロバ、ラバなども禁止されている。
海外で暮らすムスリムイスラム教徒)は、ハラールについては、たいへんに気をつかっている。単純に材料表示だけを見て判断することができないので、ハラールの表示のある食品を購入して調理することになる。
そのような背景から、ムスリムのためのハラールの食品加工場を作りたい、と彼は言う。
 
廃校など、活用できないだろうか。あるいは、ひと山買ってしまい、そこをモスク(ムスリムの礼拝所)として活用できたらすばらしい
そうなったら、近隣の市町から、ムスリムがやってくることになる。ちかくにコミュニティが形成されていくかもしれない。たんに山里の活性化ということではなく、 これからの異文化交流社会のさきがけとしても意味がありそう。
 
親友に聞くと、山中の加工所付きのレストランが借りられるかもしれない、という情報も得た。ともあれ、今週、そのために、かれらを春野に案内することになった。