過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

Satish Kumar(サティシュ・クマール)のことばが、とてもいい

Satish Kumar(サティシュ・クマール)のことばが、とてもいい。講演から気に入ったところだけを、池谷の好みでピックアップしてみた。以下は一部だから、全文のほうを読んでみてね。

ぼくは、「“未来“を信頼すること。なんの心配もいりません。大いなる宇宙が、いろんな局面であなたを支えてくれます。」……ということばに希、望が少し出てきた。

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「しあわせ」の根源は、満足、これで十分だという思いです。そして、「しあわせ」であるためには3つの条件があります。

一つ目、“過去“のことを、くよくよしないこと。過去はもう過ぎ去っています。できることなら、忘れなさい。

二つ目、“未来“を信頼すること。なんの心配もいりません。大いなる宇宙が、いろんな局面であなたを支えてくれます。

三つ目、“現在”をお祝いすること。あなたの周りを見回してみてください。この宇宙が、この世界が、どれだけの贈り物 (ギフト) を、あなたにすでに与えているか。わたしたち一人一人が持つ「想像力と創造性」をお祝いしましょう。

そして、「2本の手」があることをお祝いしましょう。2本の手」があれば、家も建てられる。また種を蒔き、自分の食べ物を育てることもできる。

私は、「Head(頭)・Heart(心)・Hands (手)」を学びの軸としていて、これを教育の3つのHと呼んでいます。

3Hは、まず「Hands (手)」からはじまります。そして、私たちは「手」があることは奇跡であると気づかないといけません。平凡なものを究極的に素晴らしいものに、つくり変えることができるのだから。ローカル経済は、本を書くことでも、人の話を座って聞いているだけは始まりません。「手」を使うことで、その一歩先へ進んでいくのです。

そして日本では、4番目のHを付け加えたい。「Hara (腹)」です。どうやら日本では、魂が腹に宿っているそうですね。「腹」、つまり、あなたの「魂」を大事にして、使うことを学んでください。

お金を稼ぐために働かないこと。

まず、働き過ぎてはいけません。少し怠けることです。多くの人が週に5日働いていますよね。なかには週に6日、7日だったり、一日10時間以上も働いていたりする人もいることでしょう。もしローカル経済を実現したいと思うなら、週5〜6日勤務から週3日にしてみましょう。お金のためにそんなに働かない勇気を持ちましょう。

そして働いていた時間の代わりに、新しいスキルを学びましょう。陶芸、大工仕事、ガーデニング、料理、何でもいい。私たちはどんな年齢であっても、美しいスキルを学ぶことができるのです。

グローバル経済は、私たちを消費者に仕立て上げました。そして、誰もが想像し、披露できたアートは、一部のエリートや大きなギャラリー、コンサートホールによって取り上げられてしまいました。

しかし、私たちは「手」を使う時、同時に私たちの「想像力と創造性」も使うことができます。想像力と創造性を発揮することによって、私たちはアーティストになるのです。

アーティストというのは特別な人ではありません。全ての人が、すでにアーティストなのです。想像力や創造性を求めて、スーパーやデパートに行く必要なんてありません。一人一人に等しく、想像力や創造性は与えられているのです。

ローカル経済は、私たちをアーティストに、詩人に、そしてつくり手にします。「私は消費者ではない、アーティストだ、詩人だ、つくり手なんだ」と宣言しましょう。

自分のため、家族や友人のために、何かをつくること

そしてスキルを学ぶ時間ができたら、まず自分のために何かつくりましょう。次に、あなたの家族や友人のためにつくりましょう。自分や周囲の人のため以上につくることができたら、売ってみてはどうでしょう?

私たちは、知り合いの人がつくった服を着るとき、知り合いの人がつくったお皿や椅子を使う時、人とのつながりを感じ、そのつながりを取り戻せるのではないのでしょうか。

つくることは喜びです。さらに地元でつくられた食べ物を食べる、手でつくられた、もしくは愛する人がつくった服を着るのは喜びです。自分自身はもちろん、この大地や同じ社会に生きる人を愛することができなくては、ローカル経済なんてありえません。

反対に、グローバル経済の根源には、「強欲さと恐れ」があります。ローカル経済の根源は、「愛と共感」。アートへの愛、私たちの想像性への愛から始まります。私は、みなさんと「愛と共感」の運動を始めたい。

https://greenz.jp/2018/02/26/satish_kumar_forum/