インドにおいて『バガヴァッド・ギーター』は繰り返し読まれ、となえられ、歌われている。インドの宗教と哲学の一書を絞れというと、この本になるのだと思う。
その成立は古い。紀元前5世紀頃から紀元前2世紀頃といわれる。2000〜2500年も前だ。昨日、インド人のスワリナリさんと話していて、改めてこの書のすごさ、魅力を実感した。膨大な仏典も、この書に集約されるかもしれないと思ったりする。
たしかギータにあった思ったが、次のような言葉。
起きたことは、もう終わったこと。もはやどうしようもない。
未来のことは、まだ起きていないので、どうしようもない。
どうにかできるのは、いまここで起きようとしていること、起きていることしかない。
行為のなかに不行為を見よ、不行為のなかに行為を見よ。
成功も不成功も同一視せよ。
……以上は、本文にあたっていないのだが。ともあれ、仕事が、停滞すると、ギータを読んだりしている。
こんな一文もあった。
どんなものであれ、求めずして来るものに満足し、相対するものを超え、ねたみから自由になり、成功にも失敗にも平静を保つ人は、行動しても束縛されることはない。
実に、自己のみが自己の友であり、自己のみが自己の敵である。