過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

自衛隊はアメリカの指揮のもと戦うことになる

日本は軍備を持たない。戦争をしない。しかし。軍事力がないのに国の防衛はどうするのか。

それは、アメリカに守ってもらう。日本の平和は、アメリカの傘の下で維持される。だから、アメリカの軍隊は日本にいてもらいたい。それが、日米安保条約である。

しかし、それは憲法違反ではないのか。「陸海空軍その他の戦力は、これを保持してはならない」と定めた憲法第九条に違反する。

最高裁は、判決を下している。「アメリカの軍隊は、憲法に定めた戦力には該当しない。アメリカ軍の駐留は憲法及び前文の趣旨に反しない」と(砂川訴訟)。

アメリカ軍が何万人も日本にいても、核兵器を持っていても、それは戦力には当たらないということになる。

さて、いざ戦争が起きた時はどうするのか。どうなるのか。自衛隊はどう動くのか。

「まずは自衛隊が主体的に行動し、極力早期に攻撃を排除し、米軍は、これに適切に協力する。自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下、各々の指揮系統に従って行動する」(97年ガイドライン)とある。

しかしだ。戦争となったら指揮系統が2つあったら、混乱する。頭は一つだ。司令塔は一つ。それが、アメリカである。

自衛隊は、アメリカの指揮系統の下に属して、アメリカ軍の指令のもとに戦う。そのことは、アメリカの公文書によって明らかになった事実である。(1952年7月23日と、1954年2月8日の2度、吉田茂首相と極東米軍の司令官との密約)。

「吉田首相はハル将軍と私にたいし、在日米軍の使用を含む有事の際に、最高司令官はアメリカ軍人がなるであろうことには全く問題ない、との個人的な保証を与えました」(アリソン駐日米大使の米国下院外交委員会秘密聴聞会の証言 1954年2月)

さて、大統領がトランプになって、これらの流れはどう変化していくのだろうか。

トランプは、大統領選の前によく述べていた。「アメリカは日本を守る義務がある、しかし日本はアメリカを守る義務はない。それでは、不公平じゃないか。引き続きアメリカ軍の駐留を求めるのなら日本は駐留費を全額負担せよ」と。

そうして、安倍とトランプの電話会談(9月3日)。フジテレビが独自取材したというが、たしかな情報ソースではない。

トランプ大統領は「私は晋三と100パーセント共にある」として「もし米国が攻撃された場合、日本がわれわれを助けなければいけない」と述べた。安倍首相もこれに対し「100パーセント米国と共にある」と応じたという。

お互いに「100パーセント共にある」など本気とは思えない。しかし「米国が攻撃された場合、日本がわれわれを助けなければいけない」とトランプが思っているのは、事実であろう。

世界でいちばん戦争を仕掛けてきた国がアメリカである。つねに戦争をしないと、経済はまわらないようになっている。そんなアメリカが起こす戦争に、日本は付き合わされることになる。

いまは、憲法第九条があるので、海外で自衛隊アメリカ軍とともに戦うことはできない。しかし、憲法改正すれば、アメリカとともに戦うことになるだろう。アメリカの指揮のもとに、だ。