過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

当時の第一級の知識人たちが、褒め称えていた

オウムの備忘録(2)

麻原彰晃については、当時の第一級の知識人たちが、褒め称えていたということを、記憶にとどめておく必要がある。

まず、吉本隆明が大絶賛していた。そして、中沢新一。そして、荒俣宏。そして、栗本慎一郎。あるいは、ビートたけし。もちろん島田裕巳など。ダライ・ラマにしても、笑みを浮かべて麻原と握手をしていたのだ。

これだけの一流の学者や評論家が、麻原の宗教体験はすばらしいと、ほめ称えていたのは事実である。

学者にしてみると、麻原の著作「生死を超えて」などに接して、瞑想の深い境地に達しないと感得し得ないような境地と思ってしまったのだろうか。

かの中沢新一にしても、カール・リンポチェというチベットのカーギュ派の総帥(しかも、ダライ・ラマの養育係だった)が麻原を評価しているからすごい、というような言い方をしていた。麻原は、カール・リンポチェを高く評価していて(というか、利用していたんだろう、ダライ・ラマにしても同様)、前世のグルだと述べていた。

こう書くと非難されそうだけど、ダライ・ラマは、わりと誰でも会ってくれて、褒めたりするところがある。まあ、とても楽観的で寛容と言おうか……。

カール・リンポチェもすごい方だけど、ぼくのような者にも、死の一ヶ月前に、直接、会ってくれた(ブッダガヤで)。「チベット大蔵経を訳してくれ」「おまえさんは立派な出家になると期待している」と、そんなことを言われたことがある。