過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

長尾先生のこと(3)

先生は、その人の本質的なところを見抜く力があった。しかも、会った瞬間に、である。

ただ、それを相手にどう伝えるか、というところに苦慮していた。わりと否定的な部分にフォーカスされるので、ずばっと言われたらときには、相手はヘコむことがあるから。

ぼくがはじめて出会ったときに、こう言われた。「あんたは、たくさんのいい縁をつくる力がある。けどなあ……。かんたんに縁を切ってしまうところがあるなあ」。たしかにそのとおり。ぼくの課題である。

心霊体験的なことなどで苦労してきたひとには、何も語らずとも、会った瞬間、「たいへんやったなあ……」としみじみ言われて、そのひとは、泣き出してしまったこともあった。

こういう能力は修行して獲得できるものあるだろうけど、もって生まれたものじゃないかとも思う。

霊的なチカラというのは、制御がむつかしい。ヘンな低級霊に支配されてしまうこともある。ズバズバ予見したりするとすごく敬服されたりして、信徒も増えてくるとチカラを過信して、傲慢になってしまうこともある。

そのあたりは、有名にならないように、評判にならないように、十分気をつけている方だった。