過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

友人の田中康彦さんの家が全焼した

まったくなにも残らなかった。75歳と3日。第3コーナーからのラストスパートをきる。すべて清算。かえって清々している。そう言っていた。

きょうの深夜、友人の田中康彦さん(カヤック制作工房)の家が全焼した。二俣の大園集落だ。隣家からのもらい火で、両隣の三軒が全焼。2時頃の出火で、朝の6時くらいの鎮火だった。

眠りに入っていたところ、隣家が燃え落ちていく音で目が覚めた。なにも持ち出せず、それこそパンツ一枚もなし。免許もクルマのカギも通帳も、カバンも下着も、とにかくなにもない。さいわい怪我だけは、なかった。

今朝、尾崎さんからの電話で聞いた。そば処一休の青木さんとまずは現場に出かけた。30人くらいの消防隊員が現場検証中。まだ煙が少し出ていた。

3軒ともまったくの全焼だ。残っているのは、ステンレス製の郵便ポストと束になった新聞紙くらいのもの。そしてカヤックが一台のこった。2年もの間、精魂傾けてつくった竹製の家も燃え尽きた。

当面は、出火元の所有している向かいの家で寝泊まりする。炊事もできるし布団もある。近所の酒井さんが段取りよく罹災証明やら運転免許再発行などの書類を持ってきて、これから一緒に役所に行くという。

その方が、防寒具や下着など衣類を貸してくれていた。エホバの証人のひとが、カレースープと御飯のなべのセットを持ってきてくれていた。

とりあえず、酒井さんの家でコタツに温まりながら、これからどうしようと話をしていた。そこに、鍼灸師のバロンさん、元パイロットの今井さん、建築家の福山さん、イラストレイターの梓さんが来訪。山繭の織物している逈田さんと、森林組合の山路くんも。酒井さんは、三遠南信伝統芸能の写真撮影などをしている作家でもある。なかなか個性的なひとの集いとなった。

固定電話も携帯電話も燃え尽きたので通じない。酒井さんから借りた携帯があるので、こちらに通話すれば連絡はとれる。080-6962-2540 静岡県 浜松市天竜区大園271 田中康彦