過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ユンボとの格闘だった

重機の力はすごい。いともかんたんに山を崩し穴を掘り、整地してしまう。楽ちんだ▲ところが、トラブルが起きたら、えらいことになる。この復旧がとってもたいへん。体力を使ってヘトヘト。そんな一日だった。いま、わがやの山を掘ってそこに炭焼き窯をつくっているのだ。

指導してくださるのは、栗島さん(82歳)だ。木を刻んで作った道具を持って来きてくださる。きょうの仲間は、玉木さん、飯尾さん、藤田さん。木を切り杭を作り岩を運ぶ▲整地してくれるのは天野さん(86歳)。「よし、きょうやってしまおう」。心よく引きうけてくださった。天野さんがユンボに乗ってやってきてくれた。

ガーガーと山を崩し、土を運ぶ。ぼくらは見守っているだけでいい。これで順調にいくね。……と思いきや、ユンボが大きな岩に乗り上げて、キャタピラーが外れてしまった。もう動けない▲3人で鉄のバールや丸太を挟んでは、うんうんいって、キャタピラーを取りつけようとした。しかし、外れたまま。それで、午前中を費やした▲かなりの体力を使ってヘトヘトだったが、また午後から開始。ぼくと天野さんの2人で、グリースを抜いて緩ませたところ、やっとキャタピラーがはまった。やれやれだ。

さあ、ふたたび整地の開始。そこに2人の助っ人が登場。「もう動き出したから、安心して見ていればいいよ」▲ところが、不運はつづく。張り方が甘かったのか、またしてもキャタピラーが外れた。こんどは、全部外れてしまう▲しかも、重機が土に深く埋もれてしまって、掘り出さなくちゃいけない。

こうなるともう、人力しかない。3人がかりでスコップ、ツルハシで重機のまわりを掘り下げる。キャタピラーは200キロくらいあるので、持ち運べない。チルホールがないので、チェーンブロックをつかって移動させる▲そんなことをしているうちに、日が落ちてきた。翌日にもちこし。きょうも重機との格闘だ。