過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

果樹園をちゃんと引き継いでくれる人がいれば、無償で譲りたい

植えたブルーベリーが100本。それから銀杏が数十本。ウドもたくさん育つ。近くには山桜とコナラの広葉樹が。お茶畑が広がる。夕日が沈むと、さぞや美しいだろう▲「果樹園を維持できそうにない。ちゃんと引き継いでくれる人がいれば、無償で譲りたい」。春野で開催した「ラブファーマーズ・カンファレンス」でお会いしたSさんが、相談に来られた▲定年退職して、農業を志し、ちかくの村で4反の畑と果樹園をもつ。しかし、ひとりでは限界になってきた。果樹園は放棄して、畑に専念したいという。

「では、とにかく見に行きましょう」。田んぼ仲間の飯尾さんと三人で現地を見に行く。わがやから車で20分くらいの山の中腹にある。杉と檜ばかりの暗い林道を登りきったところに、ほんわり広がった空間がでてきた▲1メートルくらいの背丈のブルーベリーがある。しかし、草はぼうぼう。鳥除けのネットも破れそう。剪定も必要だ。手を入れることはたくさんある▲土地は借りているものだが、転貸は問題ないという。宿泊できる簡易の小屋もついている。いかにも田舎暮らし風な空き家が、近くに2軒。うん。ここも利用させてもらえたら、すばらしい。

仲間を募って、ブルーベリー栽培、やってみようかな。どれくらいたいへんかわからないけど、仲間がいれば▲「田んぼをやりたい」「畑をやりたい」「炭焼きをやりたい」「山林をやりたい」。いろいろなプロジェクトが起こってくる。それぞれ「この指止まれ」方式でやっていけばいいか▲帰宅したら、「農作業のお手伝いをしたい」と41歳の男性が訪ねてきた。稲の収穫も炭焼きも果樹園もやってみたい、という。いいタイミングだ。その流れで、おためし住宅も案内した▲こんなふうに、いろいろな人材が集ってきそうな予感もする。ぼくの役目は、人と人をつないでいくことだ。