過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ふたたび酒を断たなくちゃ

4時にはもうヒグラシが鳴いている。ヒグラシが静かになると、鳥たちのさえずりが聞こえる▲はやく寝ればはやく起きる。なかなか難しいけど、とにかく「早起き」だけはこの2か月実行してきた。田んぼの仕事を毎朝6時からはじめているからだ。雨降り以外は休まずに、つづけている▲ひとりじゃ続かない。仲間力があれば継続できること。

ただ、しっかり肉体労働すると、とても疲れる。心地よい疲労感。そんなとき、ご苦労さんと自分にご褒美をあげたくなる▲それで、7年間続いていた断酒が崩れてきた。おいしいビールを1缶だけ、とはいかず、続けて2缶と飲みはじめる▲そうなると、翌朝、とてもダルい。体のキレが悪い。頭の冴えもなくなる。意欲も減退する。これはいかん。軌道修正しなくちゃ。

酒はやはり徹底的に断つのがいい。これまでは、まったく1滴も飲むことはなかった。その1滴から崩れてくるからね。飲み会に誘われても、水か烏龍茶だ▲山里に暮らして仕事はフリーでやっていて、気ままなにのんびりとしていたら、さあて飲もうか……と朝から、飲みはじめかねない。こうなると、堕落人生のはじまりだ。そうなってしまいそうだから、と自戒してきた。

山里暮らしの友人がいる。住まいはかなりの山奥のうえに、運転が苦手。ひとり暮らしで、他人を訪ねることも、訪ねてくる人もすくない。買い物は生協が来るので、だいたいのものは手に入る▲竹林の七賢人みたいな住居で、本人も元大学教授で漢文学を学ぶ教養人。性格もいたって穏やか。お会いするたびに、悠揚とした暮らしぶりが、心地よい▲かれはお酒が大好きだ。ついつい深酒になる。先日は、酔っ払ってひっくり返って肋骨を痛めた、記憶が無いよ、などと言っていた。

酒をやめないと、このままじゃ体を壊すよ、たいへんなことになるよ、と言うのだが、大好きなお酒をやめるなんて考えられないと。ま、本人の嗜好に介入することもないんだけど、かなり心配▲ひとりで悠然とした山里暮らしの注意点は、酒だね。これでダメになっていく人も、いる▲ぼく自身、子どもができたことだし、ふたたび、酒を断とうと思う。水でいい。水だけでも、とってもおいしいんだから。