過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

葬式でよむお経って、いろいろとおもしろい

ぼくは母の葬儀でみずからお経を読ませてもらった▲お経をよむ前に、なぜお坊さんをよばずに在家のぼくがお経をよむのかをすこし説明した。そして、これからよむお経(法華経の自我偈)とお題目(南無妙法蓮華経)、そしてインドのお経の説明をしてから、よませてもらった▲今までたくさんの葬儀に出たけれども、わかりやすくお経の説明を聞いたのははじめてだった」「南無妙法蓮華経ってそういう意味だったんだね、はじめて意味を教えてもらった」友人や親戚の人から、そう言われた。

葬式でよむお経って、いろいろとおもしろい▲まずお坊さんが、どういう意味なのか知らないでよんでいることがある(まあしかし、そんなことはないと思うけど、わかりやすく伝えることはしていない)▲聞いている人は、どんな内容なのか、まったくちんぷんかんぷん。そして、興味もない。ありがたい呪文かBGMみたいなふうに聞いている。

そして、さらにおもしろいのは、死者の供養のためのお経は、ひとつもないということ▲お経は、生きている人のために説かれたもの。それは、自ら苦しみから解脱するためのものであって、死んだ人が成仏してくれというような内容のものは一つもないということ(中国でつくられた偽経には、それらしいものはあるけど)▲そうしたお経を、死者の供養のためによんでいる。ここがじつに、日本仏教のおもしろいところ。