過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

春野町の地滑り現場を訪ねて  崖崩れ対策予算が、なんと13億円

ここは昨年、地滑りで全国的に有名になった春野町の現場だ。すぐ近くにお住まいの、お茶農家・山下太一郎さんを訪ねた。立ち入り禁止の現場だが、そのお宅の敷地なので、ここを通っていく▲パワーショベルが、いかにも崩落しそうだが、ワイヤーで吊り下げて、リモコン操作している。

さて、この崖崩れ対策予算が、なんと13億円ついたのだそうな▲こうした地滑りは全国の中山間地域では珍しくないだろう。さらに、あちこち他の地域でも崩れていく可能性は十分にある。それに対して、国土強靭化政策ということで予算を付けていたら、国家予算はどうなってしまうんだろうね。

地滑りの原因は、そもそもの土壌の質が弱いことに加え、杉・ヒノキなどの針葉樹の森ばかりということもあると思う▲木材が安価になって人件費が出ない。ので、森は間伐されずに荒れてゆく。当然、保水力も弱くなっている。豪雨が降ればどっと水が流れていまう▲なにしろ春野町は至るところ杉ヒノキの森だ。これって、せっせと勤勉に広葉樹を切って、植林してきたためだが、チェーンソーも重機もない時代の、先人の苦労は並大抵なことではない。その苦労が、こんなことになっているのだから、哀しいことではある。