過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

生きものとの共存

山里に暮らしていると、いのちを奪うことが多い。生きものとの共存は難しい。▲草にもいのちがある。あらゆるいのちは、ひとしく尊い。山川草木悉皆成仏。……都会暮らしの時には、そんなことを述べていた。けれども、こちらで暮らしていると、そんなことはいっておれないよ。

まず草刈。土地は1700坪。放置しておくとジャングルになってしまう。20日に一度は、エンジン草刈機で刈る。ゲリラを追い詰める戦いみたいな草刈機の爆音を背に、やたらと草を刈る、傷めつける。▲刈った草は焼く。さらにはトラクターで鋤き込む、なぎ倒す。しかし、草はしぶとい。へこたれないで、また生えてくる。

動物たちも被害に遭う。マムシを見つけたら頭を潰さないと、あとで噛まれていのちにかかわる。▲スズメバチの巣があったら、小さいうちにたたき落とす。蜂の子はバターで炒めて食べた。巨大なアブがぶーんと部屋に入ってくる。出ていかないと、ハエ叩きで落とす。▲天井にはねずみがいて、毎夜、どどどどと走りまわる。ねずみ取りやねずみホイホイでしかける。作物を荒らすのは、イノシシとシカ。これも、近所ではワナを仕掛けている。捕まえたら、殺して肉にするんだろう。

いのちを奪うときには、追い詰めて仕留めることになる。スイッチが入って、どうだみたか! というエネルギーになっていく。慈悲の心でやむを得ず殺すってことはないかな。戦争なんて、どうだー! この野郎! やったぞ! みたいな殺しあいの日々なんだろうな。