過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

スマナサーラものがたり㉕アチャン・チャー

スマナサーラものがたり㉕アチャン・チャー

タイには、アチャン・チャー(1918年 - 1992年)というお坊さんがいました。
英国でチッタヴィヴェーカ(チットハースト仏教修道院)設立され、アチャン・チャーの森の教えはヨーロッパ、米国、イギリスに広まりました。
語っていたことを読むと、ほとんど問題がない立派な方なんですね。
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アチャン・チャーは、伝統的に仏教を三蔵教(経・律・論)を学びました。
いろいろな瞑想のやり方も学んだ完璧なお坊さんです。
しかしそれらを全部おいて、ニューバージョンで悟りの世界を語ったんです。
みんなにわかりやすくしゃべるんですね。
よく冗談を言います。そこには、膨大で深い背景と人格があるんです。
いい加減な話を単にだらだらしゃべってるだけじゃない。
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アチャン・チャーは「捨てなさい」と言っていました。
「Let it go」と。「手放す」「ほっておく」「捨てる」「何もしないでおく」「そのままにまかせる」ということです。
一つのポイントを徹底的にハイライトしてしゃべる。

他の瞑想とブッダの瞑想の違うところはそれだけなんです。
アチャン・チャーは、それをとことん指導していました。
ただ、それは理論じゃないんです。そのためには、Let it goの修行が必要なんです。
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立派であっただけに次の弟子が、なかなか現れません。
アチャン・チャーも、本格的な弟子は作れなかったようです。
弟子にしてみると、もう師匠であるアチャン・チャーの道を歩むしかないんです。

そして、アチャン・チャーのような豊かなバックグラウンドはかんたんには培えない。そのあたりがもったいないことです。アチャン・チャーを拝むだけになってしまうんですね。

ところが、マハーシ・サヤドーには世界中にちゃんとした弟子がいるんです。民衆にちゃんと教える能力のある人々です。
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ともあれ、世界にはヴィパッサナー瞑想を教えてくれる道場がいろいろとあります。
インド、スリランカミャンマー、タイ、イギリス、フランスやアメリカなど。

みんなそれぞれの伝統でやっています。あるいは、ニューバージョンでやっています。もう、ありがとうございましたとしか言えないんです。私が批判することはありません。

 

スマナサーラ長老のインタビューをもとに池谷が構成しています。