過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

いちりん楽座。『立正安国論』を読む。 1月13日。

いちりん楽座の開催。
テーマは『立正安国論』を読む。

1月13日(土)19時〜21時(入室は18時半〜雑談)
参加費無料 どなたでも参加自由 途中入退・顔出し自由
GoogleMeet:Googleアカウントがあれば参加可能。スマホはアプリのダウンロードが必要。下記をクリックするだけ。
https://meet.google.com/cda-bdoe-hap
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日蓮の教えの中核は『立正安国論』である。その一代の化導は「立正安国論に始まり立正安国論に終わる」とされる。
立正安国論』とは、次のような意味合いがある。

①正しい教えを立てて、国を安んずる。
②正しい教えが立てられれば、国が安んずる。
③正しい教えが立てられなければ、国は安寧秩序を失い滅ぶ。

では「正しい教え」とはなにか。
日蓮においては、「正しい教え」とは、『法華経』である。
そして『法華経』のエッセンスである「南無妙法蓮華経」である。
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法華経』以外の教えは、権教(仮の教え)であり邪教(不幸に陥らせる)である。
法華経』のみ信じて実践すれば、自らが幸福となり国は安泰となる。そのように日蓮は確信した。

ゆえに、まず為政者が正しい教えである『法華経』を信じなさい。国の理念の基軸に置きなさい。そして、誤った教えである念仏や禅などを禁止しなさい。「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには」(あれこれ祈るよりも邪教の根源である念仏を禁止しなさい)と幕府に迫る。
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①いま日本国の悲惨な現実を見よ。飢饉、疫病、地震などの災害が頻繁に起きている。

②それは、諸天善神が国を守護しないからである。善神が国を去ったことで、鬼神が跋扈し、そのために万民が乱れるのである。
(「世皆正に背き人悉ことごとく悪に帰す、故に善神は国を捨てて相去り 聖人は所を辞じして還りたまわず、是れを以て魔来り鬼き来り災起り難起る」)

③善神が国を去ったのは、人々が「正しい教え」(すなわち『法華経』)を守らないで、誤った教えを信じているためである。

④そのことは、護国の経典(金光明経、仁王経、薬師経など)に示されている。

⑤だから、「正しい教え」である『法華経』を為政者が信じれば、諸天善神は日本を守護して、国は安泰となる。

⑥『法華経』に基づいて邪教を禁止し、諸経・諸宗を統一し、正法が確立されない限り国の安泰はない。(「早く天下の静謐を思わば須く国中の謗法を断つべし」「汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を祷らん者か」)

⑦それを実践しなければ、さらに災難が起きる。すなわち、「自界叛逆難」(内乱)「他国侵逼難」(他国から攻められる)が起きる。そして、現実に蒙古の来襲が起きることになった。
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立正安国論』は、鎌倉時代の僧侶・日蓮(1222〜1282)が執筆し、文応元年(1260)に鎌倉幕府第5代執権・北条時頼に提出した文書である。
立正安国論』は、旅人である「客」とそれを迎え入れた家の「主人」との問答形式で書かれている。
客は安国論の宛先である北条時頼、主人は日蓮である。
こうした問答形式の叙述は、たとえば空海の『三教指帰』(空海24歳の作)にも見られる。『三教指帰』は、儒教道教・仏教の教えを比較し仏教の優越性を説いている。

ともあれ、時の執権、北条時頼にこの書を提出して、政治の誤りを正して真実に導こうというところが日蓮の気概。背景になにももたない30代の無名の僧侶であった。
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以来、日蓮は、他宗は堕地獄の基であると非難しつづけたことで、幕府から逮捕監禁、斬首されそうになったり、伊豆や佐渡流罪されることになる。

現実に起きている災難の根拠を、護国の経典に求め、その対処法として『法華経』の正しさを伝えようとしている。その意味では、個人の救済に先立って、まず国の安寧秩序をもとめようとしている。そこが、日蓮の独特な宗風である。

以来、この日蓮の志は、弟子に受け継がれ、弾圧にも屈しない法華信徒が増えてゆく。
近年にあっては、本門佛立宗霊友会立正佼成会創価学会顕正会などの新興宗教に受け継がれてゆく。折伏という布教をともないエネルギッシュな宗教運動となっていく。
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とくに講師なし。池谷が進行役。それぞれが、体験や思いを語り、分かち合う。テキストは、画面共有しながら読んでいく。とくに用意する必要なし。予備知識も必要なし。

読んでみたい方は、以下に共有データを作成した。
https://docs.google.com/document/d/1M2mLJWerqWwVhX36BOLKAo801Y6SbzO3BbClG8qmQAQ/edit?usp=sharing