過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ベトナムの宗教事情

ベトナム、調べるとすごい。
①13世紀に成立した陳朝大越国がモンゴル軍を撃退したこと。
インドシナ戦争(1946年〜1954年)でフランスを追い出したこと。
ベトナム戦争(1961年〜1975年まで14年半)でアメリカにも敗れなかったこと。
④平均年齢は33.3歳と若いこと。日本は、平均年齢が48.4歳。
⑤日本における在留ベトナム人数は50万人(不法滞在を入れると60万人とも)。中国に次いで国籍別2位、日本の外国人人口の13.4%を占める。
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昨年からベトナムの寺院と縁ができた。日本語のよくできるベトナムの僧侶に話を聞く機会があった。神田泰毅(こうだやすたか)さんという。いま80歳。仙台市に暮らす。
昭和39年に来日、日本に来て60年という。そして帰化ベトナム戦争の最中に来日したわけだ。駒沢大学に留学。奈良康明先生に学ぶ。スリランカスマナサーラ長老と同期だとも言う。永平寺で修行し、曹洞宗の僧籍をもつ。
来月、瀬戸市のほうに来られるというので会ってみたいと思う。
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ベトナム共産主義国家であるが、仏教、キリスト教イスラム教、ヒンドゥー教カオダイ教ホアハオ教など、6つの宗教が公的に認められている。
全人口の86%が無宗教で、仏教徒は約5%、キリスト教信者は約7%。
会ったことのあるベトナム人は、100名を超えるが、みなとても信仰の篤い仏教徒(浜松の天恩寺で会ったということもあるが)であった。一緒にお経を読んだこともある。読経すると一時間以上、途中での五体投地は10回も20回もある。
また、介護施設を経営していたときに、ホランティアできてたくれた女性はクリスチャンで、ピアノを弾いて賛美歌を歌ってくれた。
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私の見た感じでは、ベトナム仏教の主流は浄土系と禅系(臨済系)。浄土宗の僧侶の法衣は黄色、南無阿弥陀仏と称える。禅宗のほうは、焦げ茶色の法衣。有名な仏教詩人の禅マスターであるティク・ナット・ハン師は、禅宗系。マインドフルネスの教えを説いておられた。
日本や朝鮮半島と同じく、基本的には大乗仏教。はじめにテーラワーダ(南方仏教、上座部)が南方から渡来し、やがて中国から大乗仏教が渡来する(日本よりも歴史が古い)。儒教思想道教などとも混交している。
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興味深いのはカオダイ(高台)教。(画像はカオダイ教の総本山)
1926年にベトナムのレ=バン=チュンが創始した新興宗教。仏教、キリスト教イスラム教の三大宗教、さらには儒教道教を合わせた5つの宗教をベースにした混合宗教。キリストや釈迦、観音菩薩ムハンマド孔子老子トルストイヴィクトル・ユーゴーソクラテスなども崇拝の対象。信徒数は約100~300万人、国内外に400~600万人とも。
「カオダイ」とは、宇宙の至上神たる天帝の名。至上神を象徴する巨大な眼「天眼」が祀られている。フリーメイソンのシンボルかと思ったよ。
驚くのはその壮麗な色彩感覚。青い天井には空が描かれ、ピンクの柱には龍が巻き付き、黄色い壁にも色鮮やかな装飾がほどこされる。
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ホアハオ(和好)教というのもある。1939年にベトナムの教祖フイン・フー・ソー(黄富楚)によって創立された仏教系新宗教。正式名称は「ホアハオ仏教」。神田さんがいうには、「踊る宗教」で、仕事をしながらでも南無阿弥陀仏と称えるという。
創価学会の信徒はいるのか聞いてみたら、300人くらいだという。