過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

なんにもないほうが子どもは自由に遊べるんだね

「公園って、普通、滑り台とかブランコとか作るでしょう。ところがここは、なんにもない。ちっちゃな人工芝の山があるだけ。なんにもないほうが子どもは自由に遊べるんだね」

なるほど。たしかにそうだ。

なんにもないほうがいい。自由に遊べる。滑り台とかブランコなどがあると、かえって狭くてなんにもできない。それしかできない。

子どもは泥あそび、水あそび、焚き火、木登り、走り回るのが大好きだ。

こちらの山里には、そういう場所はいくらでもある。しかし、子どもがいない。

都会は子どもがたくさん。しかし、そうした自然の場所がない。

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国立市矢川駅の近くに「矢川プラザ」という子どもも遊べて大人も楽しめる場ができたという。サイトを見たら、とても充実している。うらやましい。

Sくんが言うには、小学校の低学年の子たちがいちばん楽しんでいるのは、小高い小さな山だという。人工芝で覆われている。そこに登ったり滑ったり、体全体で転がっている。多いときには40〜50名ぐらいが群がっているそうだ。

「どうして人工芝?」と当初は思ったが、人工芝の感触が滑っていくのにちょうどいいようだ。

そして、その周辺には、お母さんたちもいて子どもを見守っている。

子育て支援になる、子どもの残さんの居場所になる、ママさんネットワークができる、地域のとととの交流が進む。

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ひさしぶりに思い出してS君に電話したのだった。

昨今の世界情勢からワクチンのことなど、もろもろの雑談。

いま54歳という。24歳くらいから出会っているので、「うわっ30年余も交流しているのか」とびっくりした。

国立市の駅近くの都営アパートに暮らし、夫婦で極真空手に勢を出し、人形作り。芸術世界の創作と読書。悠々と暮らしている。そういう暮らしもうらやましいな。