朝起きたらあかりが言う。
「きょうはウメ」「あしたはキック」
──ん? 明日のキックはキックボクシングはわかるけど、きょうは梅の実なんか採りにいかないよ。
「おとうちゃんちがうよ、うめたちあきさんのコンサートだよ」
──ああ、そうかそうだった。あじさい公園に行かなくちゃね。
ということで、あじさい公園(敷地里山公園)で、うめたちあきさんの歌を聞いたりパプリカを一緒に歌ったり。森の中を走ったりしてた。
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帰りのコースは、道が心配だけれど、万瀬(まんぜ)〜百古里(すがり)のコース。
途中、やはり大雨の影響で道が心配になった。草刈りしていた30歳くらいの男性に聞いた。
──ああ、だいじょうぶですよ。いけますよ。
それで安心した。その人がとっても爽やかな笑顔で、あかりと二人で「あの人はものすごくいい人だねー」と感心しきりであった。ああいうのを「和顔施」というんだろうな。笑顔そのものが、相手に幸せな気持ちを与えている。
そして、百古里。陶芸家の鈴木青宵さんを訪ねる。
「あかりちゃん、キックボクシング習っているんだって?ちょっと、パンチとキックやってみてよ。遠慮はいらないから」
青宵さんが言うので、思いきりパンチとキックをしてた。結構な力だったので、おおー!と青宵さんも驚いていた。驚かれると、子どもは嬉しいものだと思う。
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帰宅して、みんなで夕食の時だ。
──あかりは、青宵さんにパンチとキックを浴びせてたよ。青宵さん、びっくりしてたよ。
そう言ったら、あかりに叱られた。
「おとうちゃん。そんなこといったら、一方的にあかりが暴力ふるっているみたいじゃん。青宵さんがやってみてというので、パンチとキックをしたんだからね」
──ううむ。その通りだ。ものごとを正確に言わないと誤解されるよね。お父ちゃんが悪かった。
他愛もない話だが、備忘録。