過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「きょうはウメ」「あしたはキック」

朝起きたらあかりが言う。

「きょうはウメ」「あしたはキック」

──ん? 明日のキックはキックボクシングはわかるけど、きょうは梅の実なんか採りにいかないよ。

「おとうちゃんちがうよ、うめたちあきさんのコンサートだよ」

──ああ、そうかそうだった。あじさい公園に行かなくちゃね。

ということで、あじさい公園(敷地里山公園)で、うめたちあきさんの歌を聞いたりパプリカを一緒に歌ったり。森の中を走ったりしてた。
  ▽
帰りのコースは、道が心配だけれど、万瀬(まんぜ)〜百古里(すがり)のコース。
途中、やはり大雨の影響で道が心配になった。草刈りしていた30歳くらいの男性に聞いた。

──ああ、だいじょうぶですよ。いけますよ。

それで安心した。その人がとっても爽やかな笑顔で、あかりと二人で「あの人はものすごくいい人だねー」と感心しきりであった。ああいうのを「和顔施」というんだろうな。笑顔そのものが、相手に幸せな気持ちを与えている。

そして、百古里。陶芸家の鈴木青宵さんを訪ねる。

「あかりちゃん、キックボクシング習っているんだって?ちょっと、パンチとキックやってみてよ。遠慮はいらないから」

青宵さんが言うので、思いきりパンチとキックをしてた。結構な力だったので、おおー!と青宵さんも驚いていた。驚かれると、子どもは嬉しいものだと思う。
  ▽
帰宅して、みんなで夕食の時だ。

──あかりは、青宵さんにパンチとキックを浴びせてたよ。青宵さん、びっくりしてたよ。

そう言ったら、あかりに叱られた。

「おとうちゃん。そんなこといったら、一方的にあかりが暴力ふるっているみたいじゃん。青宵さんがやってみてというので、パンチとキックをしたんだからね」

──ううむ。その通りだ。ものごとを正確に言わないと誤解されるよね。お父ちゃんが悪かった。

他愛もない話だが、備忘録。