過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

衰亡して終わっていく流れと、新しい動きが交差していくってところが面白い。森町の「町並みと蔵展」

衰亡して終わっていく流れと、新しい動きが交差していくってところが面白い。
森町の格調高い町並みを歩いていて、ふと一本歯の高下駄のひとがいた。
おもしろそうなので声をかける。
「部屋の中でも試せますよ」と言うので事務所に入れてもらって、一本歯の下駄を試してみた。
は下駄を売るところではなくて、なにやら家務所。その高下駄の人は、事務所の前でのパフェの販売のサポートをしていたのであった。ありがたいことに、あかりとよく遊んでくれた。
あかりがキックボクシングのワザでローキックすると受け止めてくれたり、ダッキングでパンチを交わしてくれたり。
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そんなことてあそんでいると、事務所の人から「池谷さんですか?」と声をかけられた
「ほら我楽王国で会いましたよ」
──ええ、そうですか。ちっとも覚えてないんですけど。ごめんなさい。
ぼくは、たくさんの人に会うということもあるが、名前と顔が一致しない。
──で、いまなにをやっているんですか。
「ここは、リノベーションして、新しく起業したい人、ネットワークを作りたい人のために開放しているんですよ。『ゴッドブレス森』といいます。
──へええ。すごい名前をつけましたで。で、具体的にはどんなことを?
「新しく何か始めたいと思っている方、新しい事をはじめている方、新しいアイデアを探している方などが集まる場です。お互いの価値観や夢などを語り合い、新たな気づきや発見を得て、自分自身のポテンシャルを引き出し合うビジネスミーティングの場にしようとしています」
──ううむ、それはすごいなあ。集まりやすい場だし、とても居心地のいい空間。なんと森町でもあたらしい動きが起きていますね。
じつはそれまでこの町の恒例イベントを歩いていて、とても美しい町なんだけど、「みんな高齢化して、活気も新鮮味もまったくない。看とり期に入った感じだなあ」と思っていたのだった。
その矢先、「こうした若い人たちの動きが起きつつある。これはおもしい」と感じた。
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そうしてまた歩いて行くと、足芸でドラえもんのシアターをしてくれる方がいた。あかりのために上演してくれた。きょうで8回目だという。すごいな、炎天下で。菓子箱やら100均のグッズでこれだけ面白いことができるんだと感心した。
話を聞くと、森町で「山いき隊」をしていてゲストハウスを作った岩瀬くんのお父さんだった。息子が改装した店の向かいでこうして応援のために芸をしてくれている。こんど、春野に呼ばれて秋に足芸をするとも聞いた。
岩瀬くんの改装したも店も、ゲストハウスとしてレンタサイクルショップとして、なかなかの快適空間。たいしたものだ。