過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

砂鉄がくっつく。それを集めて、紙の上に乗せる。下から磁石を動かすと、砂鉄が動き出す

「砂鉄遊び」
ラジカセをあかりと一緒に分解した。ビスが潰れていたので、カバーがすんなりと外せないない。暴力的に棒で叩いてぶち壊して取り出した。
スピーカーが出てきた。それにはとても強力な磁石がついている。ドライバーでビスを緩めている時にピタッとくっつく。磁石にビスや釘などをくっついていくのがおもしろい。
──そうだ、砂鉄を集めてみよう。
庭の土と砂利に磁石を転がす。砂鉄がくっつく。それを集めて、紙の上に乗せる。下から磁石を動かすと、砂鉄が動き出す、まさに踊りだすような。これには、あかりもびっくりしてた。
「おもしろいね。もっと砂鉄を集めよう」。
あかりは、紐をつけた磁石を腰に結んで歩く。磁石がつく。散歩しながら集める。自転車に結びつけて、ペダルを漕ぎながら砂鉄あつめ。河原にいって川砂から集める。随分と集まったよ。
  ▽
──鉄っておもしろいんだよ。普通に歩いている地面にたくさんあるんだね。
砂鉄を集めて炉で高熱にすれば鉄が溶ける。それを冷やして叩いていくと刀だってできるぞ。
「うわあ、それはつくりたい」
──でも、砂鉄をたくさんあつめるのはたいへん。だから、五寸釘を熱してナイフを作ってみてもいいよ。炎で真っ赤になるまで熱してから叩く。それで水で冷やす。それから、砥石で研ぐんだ。
「いいね。いいね。やってみたい」
 ▽
ということで、ちかいうちに、五寸釘を熱して刃物を作ることにした。
しかし、そもそも「鉄」ってなんだろう。不思議だ。
そこから探求が始まる。
体験、体感がともなうと「理科」はおもしろい。仮設を立てて実験して観察する。いろいろな方法を試してみる。リアリティから学ぶ。画像は、友人が五寸釘で作ったナイフと手裏剣。