過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

おとうちゃんは、朝から夜までずっとパソコンやってるでしょう。それよくないよ。

あかり(7つ)は「はたらく細胞」というアニメが好きでよくみている。(清水茜の漫画。『月刊少年シリウス』で連載された。累計部数は930万部を突破)
その影響で、血管がどうの腎臓がどうのという話をするようになった。

「アルコールって、分解されるんだよね?」

──そうだよ。体内でアセトアルデヒドに分解される。

「アセトなんとかがでるとどうなるの?」

──酢酸に分解される。 酢酸は全身に送られ、筋肉や脂肪組織で二酸化炭素と水に分解され、吐く息やおしっこ尿となって出ていくんだ。

でもね。たくさんアルコール飲むと、顔が赤くなる。だるくなる。からだのバランスが悪くなってフラフラする。あたまがぼーっとしてくる。ちゃんとしゃべれなくなる。いつも慢性的に飲んでると、やがて肝臓が疲れて悪くなる。死んじゃった人も、友だちで何人もいるよ。
 ▽
「そうなんだ、こわいね。それと、カフェインも、からだによくないんでしょう?」

──うん、父ちゃんが毎日のんでいるコーヒーに、カフェインがあるんだよ。茶にもあるんだ。おいしくて目覚めてスッキリして気持ちがいい。でも、とりすぎらよくない。適度ならいいんだ。

「そうか」

──それと、依存症といってね、中毒になりやすい。それを飲まないとイライラしたりする。それがよくないんだ。タバコは、ニコチンという成分が依存症にさせるんだ。

「とりすぎたらだめなんだね」
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──うん。なにごともね。テレビだって中毒になるよ。

「へぇ、どんなふうになるの?」

──いつも毎日、テレビつけっぱなしの人がいるでしょう。朝起きたらテレビつけてる。食事中もつけてる。出かけて家に帰ったらすぐにつける。お客さんが来てもつけてる。夜、寝るまでつけっぱなし。それって、中毒だよ。

「そうすると、どうなるの?」

──いつもテレビばかり見ていると、自分で考えなくなる。自分の意見をもつことができなくなる。感性っていうんだけど、感じる力が弱くなる。ぼーっとしてくる。
なにごとも、受け身になる。バカになりやすいっていうかな。

「それはどうして?」

──テレビって光と音とか、次々とにすごいでしょう。やすみなし。そればかりみていると、刺激が強すぎて、こまやかなことに鈍感になるんだ。だから、あんまり見ないほうがいい。本を読んだほうがいい。
 ▽
「おとうちゃんは、朝から夜までずっとパソコンやってるでしょう。それよくないよ。」

──うん、そうだね。でもね、これはおとうちゃんの仕事だからね。パソコン使って仕事しているんだよ。

「でもさあ、絵を描くとかさあ。からだ動かすとかね。そういうのがいいいよ。」

──うん、たしかに。それがいいなあ。歌ったり、描いたり、なにかものをつくったり、料理したり。ほんとうは、そういうのをしたいよ。

「あかりちゃんは、パソコンの仕事はしないんだ。おもちゃつくったり、絵をかいたりして暮らすんだ。」

──うん、それがいいね。きっとそうなるよ。なにかをいつも創造して、自分も楽しいし、みんなも喜んでくれる。それで暮らしていける。そういう人生になると思うよ。