過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

その単語か文節を「無機質」に「抽出」すればいいだけ

学校に行くのをやめたあかり(7つ)だが、担任の先生がきてくれる。週一、30分くらいで学習の進捗とみんなが難しいと感じるポイントを適確に教えてくれる。
それをぼくは横で聞いているのだが、それがスピーディで適確。いろいろ感心する。

「なおこさんは、どこに行きましたか?」
というプリントの問題に対して、
「なおこさんは、きょう学校に行きました」
とあかりは答えを書いていた。
それは間違いではない。
が、国語の問題というのは「無機質」に文章から「抽出」することにある。
「どこに」に「対しては」、「学校」だけでいい。それが正解。
「それは」とか「なにを」とかに対しても、同様。
 ▽
ぼくは、現代国語の試験は得意ではなかった。
それはどうしてだったかというと、このあかりの問題集で気がついた。

国語の試験というのは、「無機質」に文章から「抽出」することを問われているのだ。
作者が言いたいことは何か? という問いがあったら、その答えは「文中」にかならずある。
そこをみつけて、その単語か文節を「無機質」に「抽出」すればいいだけなのだ。

そのあたりが試験のテクニックなんだけれど、長い間、そのことを知らなかった。
作者が言いたいことは何か?と問われれば、自分で文章を創作して書いたていた。それでは、点数はつけられない。これは、試験のマルバツをする人の仕事を考えてみればわかることだ。
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そうして、後に、雑誌社のフリーライターをしていたときのこと、
タイトルをどうしようかという時、編集者から、「文中のポイントの言葉をタイトルにしましょう」と言ってくれた。
──ああそうか。言いたいことは、かならず文章に書いてある。
自分で文章を書いてみて、わかった。
 ▽
なので、現代国語の試験勉強は、「作者のいいたいこと」「ポイントになるところ」「ー自分で気に入ったところ」にサイドラインを引いていくってことが効率が良いと感じた。